パニックの語源はギリシャ神話に登場する昼寝好きの神様だった
先日「極限状態の心理学」という本を読んでいると、パニックの語源に関する説明がありましたので紹介します。
神様の眠りを邪魔してはならぬ!
という禍々しいタイトルから始まるお話です↓(以下本書より抜粋)
ギリシャ神話には「パン」という名の、上半身が人間、下半身がヤギの姿をした半獣神が登場する。
家畜、とりわけヤギの神とされた。
パンは陽気な神様で、笛を吹き、ニンフ(妖精)たちと踊るのが大好きであった。また、岩陰に横たわって昼寝をすることも好きだった。
しかし、誰かに眠りを妨げられると、機嫌が悪くなったパンは山々に響くような大きなうなり声をあげ、石を投げた。
その勢いがあまりにもすさまじいものだったので、牧童や家畜は半狂乱となって逃げまどったという。
パンの見えない力=パニック
この語源について、筆者は以下のように述べています↓
古代ギリシャの人々は、この神話をもとに家畜の群れが何の前触れもなく突然騒ぎ出したり、集団で逃げ出したりするなどの行動をとるのは、パンが見えない力で家畜の感情を揺り動かし、衝動的な行動に走らせていると考えていた。
このことから、突然起こった何らかの出来事に驚き、慌てふためいて逃げ惑うことを「パニック」と呼ぶようになったのだ。
そして、集団真理だけでなく、個人の心理状態をも指すようになったのである。
とのことです。
本書では、パニックを起こして勝利や巨万の富を築いたいくつかの事例を紹介しており、その中には「桶狭間の戦い」や「ネイサンの逆売り」「将軍ベリサリウス」「天才軍師 諸葛亮孔明」などが紹介されています。