さて、今回は住宅引渡し前の施主検査(=完成検査)を進めるうえでのポイントについて書いていこうと思います。
施主検査とは、戸建ての新築やリフォーム工事が予定通りにおこなわれたか、問題がないかを施主が直接確認する検査のことで、「内覧会」とも呼ばれます。
施主検査で指摘された項目は住宅会社が再び補修・美装し、最終的に施主への引渡し手続きへと移ります。
※施主検査を実施しないなんて論外中の論外です。
引渡し後に気付いた汚れやキズの補修については基本的に追加料金がかかることが一般的なので、引渡し前の施主検査でいかに細かく傷や汚れをチェックするかが重要になってきます。
たとえ営業マンに「引渡し後も万全のサポート体制で臨んでおりますのでご安心を」とか言われても信用しちゃぁいけません。
こういった場合は契約書に記載があるかを要チェック
引渡し後に気付いた汚れやキズにまで無料で対応してくれるような住宅会社は(ゼロじゃないかもしれませんが)ほとんどありません。
さて本編に入る前にもう一つ重要なことがあります。
「いかに細かくチェックするかが重要」と書きましたが、住宅会社を責め立てるのは厳禁です。
売主を罵倒するのは絶対にやめて
「大工さんも人間なんだからキズや汚れがあるのは仕方ない」という気持ちを絶対に忘れないようにしてください。
なぜなら施主検査の最大の目的は、指摘したポイントを補修してもらうことなんですからね。
また、住宅会社との関係が悪化するのは今後のメンテナンス依頼の際などにもマイナスになる可能性が高いので、「住宅会社の顔色を窺って」とまでは言いませんが節度ある範囲で礼儀正しく「すみませんがこれは補修してくださいね」くらいでおさめましょう。
いや、筆者も皆様の気持ちは痛いようにわかります。
気持ち的にはこうですよね
人生をかけた数千万円の買い物ですし、住宅会社にもガッポリ儲けさせているわけなので「100点満点の施工をせんかい」という気持ちは大いにあります。
筆者の場合も、(施主検査ではありませんが)住宅会社(=一条工務店)の工事課の人間から「外壁は既に清掃終わりました(‘◇’)ゞ」というメールを受けて現場を見に行ったら、汚れのオンパレードだったのです↓
画質の関係で汚れが不明瞭な写真もありますが、オリジナル解像度では明らかに汚れています。
さすがにこれで引渡しされたらぶちギレなので、これら全ての写真を添付し
「施主検査ではこういった汚れは全て手直しの対象とさせて頂きますので、施主検査当日までにご対応をお願いします。」
というメールを送ってしまいました(笑)
筆者の本音
それに、作業中の現場に突然お邪魔した時も、室内は結構ハチャメチャな状態だったのです↓
キッチン台にフィルムは無く汚れ放題
カウンターは埃だらけ
クロスには何かをぶつけたとみられる穴が
ベランダもゴミだらけ
施主検査までにはプロの清掃員が入ってピカピカになるとは思うんですが、正直いい気はしませんよね。
普通フィルムかなんかを貼って商品に汚れが付かないようにするんじゃないんですか?
これが通常施行だとしたら一条工務店にますます不信感が募るばかりです!!!
一条工務店への不満点に関してはこちらの記事で紹介しています↓
本記事は、高性能住宅を購入するにあたって「家は性能」を謳う一条工務店を漠然と選んでしまった筆者が感じた「事前に知っていたら契約しなかったであろう6つの重大な不満点」をご紹介しています。これから新築住宅を建てようと思っておられ[…]
是非ご参考に。
っと、すみません熱くなってしまいました。
筆者もまだまだ人間ができていないのです、お恥ずかしい(/ω\)イヤン
しかし読者の皆様にはこう言いたい。
でも、でも、そこはグッとこらえて相手にも気持ちよく補修&引渡しをしてもらえるような関係を築くのが最良なのです。
それを忘れないようにしてください。
やはり営業マンも人間ですから、ネチネチ言われたら腹が立ちます。
ゲーム感覚で粗探しするのはやめましょう。
YouTubeで施主検査についての動画を観ていると、
どんな傷も汚れも細かくチェックし、
全て完璧に直してもらいましょう。
と言っている人も数名いましたが、それらは全て施主目線100%の意見であり(=あくまで素人)、実際に住宅を建てる住宅会社とは少し温度感が違います。
こうなってはダメなんです、ほんとに。
先ほどから何度も何度も言っている通り、住宅会社への配慮も忘れないようにしましょう。
「完璧を求める施主様の気持ちは当然わかりますが、人間がやる仕事なので完璧はあり得ません。
不具合があれば私たちには当然手直しする義務がありますが、過度な要求により住宅会社との関係が悪化することは決して得策とは言えません。」
↑住宅系Youtuberの方々は皆さんこう仰います。
どちらが正しいとは一概に言えませんが、筆者は住宅会社の気持ちを尊重することが大事だと思っています。
持ち物
画像生成AIで作成(難しい…)
さて、施主検査にはいくつか持っておいた方が良いアイテムがありますので先にそちらをご紹介します。
- 図面:図面通りに施行されているかを確認
- 筆記用具:図面に書き込むため
- メジャー:図面通りの寸法になっているかを確認
- 水平器:床などの水平が取れているかを確認
- マスキングテープ:気になる箇所に貼るため(
付箋でも可) - 充電器:コンセントに電気がきているかを確認
- ライト:暗い床下や屋根裏を照らすため
- ティッシュ:換気の給排気やすき間風を可視化するため
- 手鏡:バルコニーや土台水切りのシール部などを確認するため
- スリッパ:引き渡しまでは自分の家では無いので
- 双眼鏡:外壁の状態を確認するため
- ウェットティッシュ:拭いて除去できる汚れは自分で拭いてみる
「付箋でも可」と書きましたが、付箋は粘着力が弱くてツルッツルの部分以外に張るとすぐにペロンと剥がれてしまいますのでやめておきましょう!
工務店側が張っているマスキングテープ
建設業になじみのない一般の読者様にはよくわからんアイテムもあるかと思いますが、ほとんど100円ショップで手に入るものなので用意できるなら全て用意しておいた方が良いと思います。
あと脚立(きゃたつ)もですね↓
チェックポイント
さて、では実際にどこをチェックしたらいいの?ということですよね(・ω・)ノ
どの程度まで検査すべきか、筆者は非常に悩みました。
細か過ぎるとみんなやらない、簡単過ぎると施主検査の意味がない。
その丁度よいバランスを持ったチェックリストを2つ見つけましたので、それを先にご紹介します。
※クリックでダウンロードできます
この2つがほんとに丁度よい塩梅だったんです(笑)
当日は上のPDFをダウンロードして手元に用意しておいてください。
本当はもっともっと詳しく住宅の隅々まで検査するようなリストを載せたかったんですが、やめときました(;^ω^)
「もっと詳しいリストが欲しい」という方は【ぎゃなの家ハウス】さんのリストを参考にしてもらえれば良いと思います。
概要欄からDLできますが、これはかなりガッツリ検査したい人用です(笑)
「リストだけじゃわからん」という人のために、実際に住宅を使って施主検査をしている方の動画も貼っておきますので是非ご参考に↓
施主検査に関していろんな方の動画で勉強した内容を、施主検査前の心構えとして以下にまとめます。
※施主検査前に読むだけでも構いません。
- 記憶は曖昧なので必ず最終図面でチェックを!!!
- 住んだつもりで全ての扉・窓を開閉する!!!
- 細かく見過ぎない
- 触れるところは全て触る
- 引渡し後の不具合は誰の責任か明確にできない
- 疑問に思ったことは全て訊く
- 音を意識する
- 後々のトラブルを未然に防ぐため録音しておく
- 機械は全て動かす
- 床下屋根裏の確認が最重要
- 動かせるものは全て動かす
- 面より角を意識
とりあえずこれらに目を通してから施主検査に臨みましょう!
おわりに
さて、本記事では施主検査の心構えと必要な持ち物などを紹介しました。
実際に筆者が施主検査を受けた時のお話は別記事で紹介しておりますが、一条工務店の施工の粗雑さに正直ガッカリしたというのが筆者の偽らざる本音です。
これから住む家に対して「もう少し丁寧に施工できただろ」と内心不満を抱くことは、一言で言うと非常にテンションが下がるものです(笑)
一条工務店の企業理念に「お客様以上に、お客様の家づくりに熱心であれ」というのがありますが、あれはやはり理想論ですね(´・ω・`)
皆さんも完成検査ではそれなりの覚悟を持って臨んで下さい!
ではまた~