【サバイバル知識】ナビゲーションについて

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今回はサバイバルで使われる、ナビゲーションについて紹介します。

ナショナルジオグラフィック監修の「世界のどこでも生き残る完全サバイバル術」という本の一節から抜粋しました。

ナビゲーション

通常、救助を待つのは賢明な行為だ。

しかし、時には移動しなくてはならないことがある。

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たとえば、あなたが遭難していることを誰も知らなかったり、その場に水も食べ物もない厳しい環境だったり、また、次の稜線を越えれば、今よりもよい場所があると分かっている場合などだ。その時点で必要となるのが、ナビゲーションの能力だ。

地図やコンパスを読み取り、GPS(全地球測位システム)の情報を理解しなければならない。また、自然や人口の目印を見つけ、険しい地形を通り抜けるルートをたどっていく必要があるかもしれない。アウトドアに精通した人は事前に目的地の下調べをし、川が流れている方向や高地の場所など、その土地の特徴を心に留めておくだろう。しかし、その地形や難易度について何の予備知識もないまま、突然危機的状況に追いやられることもある。その場合、その場で地形を読み取らなくてはならないのだ。

尾根に沿って歩けば、その土地を360度見渡すことができるのか? 岩だらけの土地の最も低い経路を流れる川をたどることが可能か? 太陽と星の位置から東西南北が分かるのか? 雪や氷、または砂漠のさらさらとした砂をかき分けて前進し、小石だらけの山の傾斜に沿って旅をする体力があるのか?

たとえその場から動かないとしても、ナビゲーションの能力は必要になるかもしれない。紙に描いたメモや道しるべ、ケルンなどの目印。また、単に記憶にとどめることも、自分なりにナビゲーションに役立つものがあるかもしれない。深い森や入り組んだ峡谷を抜け、食料や水などを確実に手に入れられる場所に戻ることができるからだ。

現代のナビゲーション機器はよくできているが、予備のためのバックアップは大切だ。これは、大自然の中に持ち込むすべての機器にいえる。高地では磁気偏差が生じたり、時には地磁気の障害が発生することがあり、コンパスが読みづらくなる可能性もある。また、電子コンパスやGPSは電池が無くなる危険もある。しかし、星は晴れた夜であればいつでも方向を示してくれるのだ。

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ナビゲーションに役立つ情報とツール

プランを練るときやルートの情報によく使われるのは、地図、コンパス、そしてGPSだ。特にハイキングなどの時に役立つのが地形図だ。

地形図

地形図とは、同じ高度の地点を等高線で結び、その土地の標高を示した地図のことだ。こうした地図の選択には、目的に適した縮尺を選ぶことが大切だ。何百キロにも及ぶ地図では、重要な地理的特徴を表示していない場合があることを知っておこう。

人が歩くときに便利な縮尺は、【1:50000】か【1:25000】。地図上の1cmは、実際の距離にして500m、250mという意味だ。

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こちらの記事↑は「YAMA HACK」さんが投稿した記事ですが、僕が説明するより遥かにわかりやすいので載せておきます。

コンパス

コンパスの針は磁極の北を示しており、真北の方角とは異なる。この磁気偏差を頭に入れておくと、コンパスは非常に強力なナビゲーションツールになる。

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GPS

また、陸地や海上におけるナビゲーションのあり方を大きく変えたのがGPSだ。

これは携帯用受信機が地球を周回する人工衛星からの信号を受信し、緯度と経度から受信者の所在地を割り出して、地図上にその位置を表示するというシステム。衛星信号が峡谷のような地形で遮られない限り、複数の信号を受信した民間用GPSの精度は、水平距離にして15m以内という正確な位置を知らせてくれるのだ。

地図のグリッド座標を学ぶ

地図に引かれた水平および垂直の線は、緯度と経度を表す。これは、距離の計測やこれまでの移動距離の把握、そして、自分が東西南北のどこにいるのかを見極めるのに役立つ。水平の線は「東方向距離」。そして、垂直の線は「北方向距離」と呼ばれる。

グリッド座標は常に東方向距離、北方向距離の順番で書かれており、一般的に6桁の数字で表されている。前半3桁の数字のうちの2つは、水平線に示された数字。残る1つは、その該当区域をさらに10等分した、東方向距離の直近の数字だ。そして、後半3桁の数字は、北方向距離を示した同じ内容の情報になる。

つまり、グリッド座標が「123456」と表示されている場合、東方向距離は12.3、北方向距離が45.6であることを簡略化して示しており、その地点が12.3と45.6の2距離が合わさった付近であることが読み取れるのだ↓

これに地図を重ねると・・・

こうなります。こうしてGPSは場所を特定するのです。

米国地質調査所(USGS)が製作した地形図には、真北(北極)、磁北、そして、方眼北を示す3つの線が表示されている。地図、GPS、コンパスを利用する際は、これらの3つの線から必要な物を選択し、ナビゲーションの参考にするとよい。

地図の種類

メルカトル図法:

赤道の幅に合わせて円筒形の物をかぶせ、地球の表面を投影した図法。計測値が正確なのは赤道付近のみで、両極へ近づくにつれ、経度線のひずみは大きくなる。

ランベルト正角円すい図法:

円すい形の頂点をどちらかの極点に合わせ、地球の表面を投影した図法。

ユニバーサル横メルカトル(UTM)図法:

地図上に、同じ大きさの長方形をグリッド線で引いた図法。わかりやすく利用しやすい。

地球儀:

地球の表面を最も正確に描いた図法。

コンパスを使いこなす

真北とは北極を意味し、方眼北は東方向距離によって示された地図上の北。そして、磁北とはコンパスの針が指し示す北の方位だ。

真北と磁北の角度差は、赤道付近ではほとんど認められないが、両極へ近づくにつれ、その差は大きくなる。磁気偏差は、地図の下に表示されていることがある。正確な方角を読み取るには、コンパスが示す方位に偏差分を増減しなければならない。もし地図にその表示がない場合は、コンパス文字盤の「N」を北極星に合わせる。すると、針が指し示す方位とコンパスのNマークとの角度差が、その地域の磁気偏差であることがわかる。(後述します)

地図には地理的な特徴をメモしながら、コースを記入する。現在の方角を書き留め、コンパスが示す方向に進む。ハイキングをする時は、コースを確認するためにも実際に目にした地形を地図や方角で比較しよう。

もし道に迷った時は、等高線が8の字形をした特徴的な地形である鞍部(あんぶ)や特徴物を利用して、コンパスと地形図で現在地を知る「クロスベアリング」を行う。まず、針の北とNマークが一致したコンパスを地図上に置く。片方の鞍部頂上(特徴物)をS点に合わせ、地図上のコンパスの針と磁北線が平行になるまで地図を回転し、平行になったらその角度で鞍部頂上から線を引く。次に今の地点から見える約90度方向にある地図上の特徴物(もうひとつの鞍部頂上)が、固定したコンパスのS点にくるまで地図を回し、針の角度で線を引く。地図に描いた線が交差した地点が現在地であると確認できる。

実際の地図で確認

ぼくも登山はしますが登山家では無いので、正直読図(地形図を読むこと)は苦手です。それでも一応解説していきたいと思います。

まず、以下の地図をご覧ください↓

これは日本の南アルプスにそびえる赤石岳と呼ばれる山で、静岡県と長野県の県境にある標高3,121mの山の地形図です。

ここに経線と緯線を引いてみましょう↓

この緯経線は東西南北に平行な線です。

では、この地図にUTMグリッド線を引いてみます。
(UTMグリッド線とは、ぼくはどれだけ説明を読んでもあまりわかりませんでしたが、まあその地域の磁気偏差を考慮した線ということですかね。)

住所の無い地域(山や海など)で遭難した人の位置を誰でも特定できるための線らしいです。

これは先ほどの緯経線と比べて少し傾いてますよね、これが偏角で、この磁気偏差は地域や年度によって違うらしいです。

ハンドレールに沿って歩く

実はコンパスの通りに進むと誤差などにより、予定のコースから10度ほどそれてしまうことがある。長距離の場合、道の分岐点や川沿いに設置されたキャンプ地を見逃してしまう原因にもなりかねない。そこで、目的地を見逃さないためにも、慎重に右方向あるいは左方向へと照準を定め、その方角に向かって歩くようにする。この方法は目的地が遠方であったり、木々や丘などに隠れていたりする場合、特に有効な手段となる。また、登山道、尾根、目的地付近を流れる河川といった直線的な地形を目指す場合、その地点に到着したら右もしくは左に曲がり、直線的な地形をハンドレール(手すり)に見立てて、そのラインに沿って進む。このように「意図的にコースを修正する」ことは、コンパスを有効に利用するための手段だ。また、コンパスの予定された誤差だと認識することが大切だ。

※注意

到着ポイントがまだ遠方の場合、目的地を見失わないためにも、さらに右方向あるいは左方向へと意識して歩いてみる。

POINT

カナダのハドソン湾の北側に、コンパスの磁針を強力に引きつける自然磁場の中心が存在する。このエリアは磁北と呼ばれ、北極あるいは真北からは約1600km以上離れている。

直線ルートを歩く

長距離を徒歩で移動するときは、直線ルートを維持するためにも、常時コンパスで方角を確認する。人間は左右の体のバランス、足の長さの違い、利き目といった影響で真っ直ぐに歩いているつもりでも、左右どちらかにそれてしまう傾向がある。距離が短いと気付かないが、実は何時間も円を描いて歩いていた、という原因になることもあるのだ。

GPSナビゲーション

小型のGPSを使う場合、地形図に経度と緯度が表示されているとナビゲーションが容易になる(電子マップが搭載されたGPS機種もあるが、危機的な状況下では十分な情報を得られず有効とは言えない)。読み取った経度と緯度を地図に記入しておくと、これまでの足跡が把握できる。

GPSの基本

小型のGPSは、非常に優秀なナビゲーションツールになる。

・GPSは地形の変化は読み取らず、崖や峡谷は画面に表示されない。

・GPSは直線ルートをキープするのに役立つ。ただし、最も簡単なルートを意味しない。

・方向転換に適した場所を探して読図した後、その情報をGPSへ入力する。

・GPSが作動しないときは、コンパスを利用したり推測歩行を行ったりする。

・GPSナビゲーションの初期設定エラーに注意する。世界測地系1984(WGS84)などの共通システムへ、地図やGPSを読み込ませるときにエラーが発生することがある。

・GPSはコンパスと併用する。最近販売されているコンパスの中には、GPS受信機と連動できる物もある。

予備の地図を持つ

大切な地図であれば、コピーをとるか予備の地図を用意するなどして、紛失や損傷に備える。場所によっては、インターネットから十分な情報が得られるため、そこからプリントアウトすることも可能だ。その場合、縮尺が小さい地図も用意すると全体が見渡せ、手持ちの地図から外れて迷ってしまった場合に役に立つ。

事前に、自分がある一定の距離を何歩で歩くのか知っておくとよい。たとえば30mは約100フィートであるため、その目安にすると良い。いくつかの地図にはフィート(ft)が使われ、オリエンテーリングの地図にはメートルが使われるからだ。

おわりに

さて、こうしてサバイバルの必須知識を徐々に知識として身に付けてきています。

あとは実践あるのみですね、ぼくは来たる10月10~11日の土日に登山して(器具を使わず)自分で火をおこして何か食べようと思います。

できれば小動物を獲るワナ的なものも作れたらいいんですが、さすがにウサギやリスを生け捕って丸焼きにして肉を食べるというのはハードルが高いので、それはまたいつかにします。

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