今回はサバイバルで使われる、自然の中で方角を知る方法について紹介します。
ナショナルジオグラフィック監修の「世界のどこでも生き残る完全サバイバル術」という本の一節から抜粋しました。
自然の中で方角を知る方法
仮にコンパスを持っていなくても、パニックになる必要はない。この素晴らしい地球には、至るところに自然界のコンパスが存在するからだ。
地平線上での日の出、日の入りの位置は、季節の移り変わりとともに変化する。しかし、3月下旬の春分の日と、9月下旬の秋分の日だけは、太陽は真東から昇り、真西に沈む。
北半球の場合、正午になると南から太陽の光は差し、北側へその影を落としているのだ。
太陽と植物を手掛かりにする
また、南からの熱と光は植物の生長にも影響を与えるため、その植物の影や成長している向きを調べれば、曇りの日でも方角を知るカギとなるだろう。
厚みのある葉や針葉は樹木の南面、特に光がよく当たる樹高の高い位置で生長し葉を茂らせている。しかし、山間部では南側を好む木がある一方、北側尾根の日陰を好む種類もある。植物は太陽に向かって生長するが、強風で曲がってしまう場合もあるので注意が必要だ。つまり、植物が一定方向に曲がっている場合は、太陽によるものか、それとも風によるものかを見極めなければならない。
棒の影を使って方位を知る
➀:午前中に棒を垂直に立てて、その影の先端に小石を目印として置く。
➁:その小石を円のスタート地点とし、棒を中心とした円を地面に描く(円を描くには棒に糸を取り付ける)
③:太陽が昇るにつれ棒の影は短くなるが、午後からその影は長く伸びていく。影が円からはみ出したとき、先に描いた円と交差するポイントに目印を付ける。こうしてできた2つの小石を結ぶラインが東西の線になる。西の方角は、最初の小石で目印を付けた方向だ。
自然の中で方角を知る方法
その他、自然の中で方角を知る方法をご紹介します。
・正午に影ができる方角は、北半球では北、南半球では南を指す。
・コケや地衣類は、木や岩などの陰を好み、通常は北や北西側で生長する。
・北半球における丘陵では、主に落葉樹が多ければ南斜面、常緑樹が多ければ北斜面。
・ロッキー山脈では、ロッキーマツがあれば南斜面、エンゲルマントウヒがあれば北斜面。
・砂漠では、玉サボテンは南に傾いている。
・事前に風向き情報を得ているのであれば、木が揺れている方向をチェックする。
・斜面で大きな雪解けが起こるのは南側(よく陽が当たるから)
おわりに
仮にコンパスを持っていなくても、パニックになる必要はない。この素晴らしい地球には、至るところに自然界のコンパスが存在するからだ。
書き出しのこの言葉、かなり響きますよね!
また時間があれば試してみてください。