サバイバル知識 救難信号

【サバイバル知識】救難信号について

今回はサバイバルで使われる、救難信号について紹介します。

ナショナルジオグラフィック監修の「世界のどこでも生き残る完全サバイバル術」という本の一節から抜粋しました。

救難信号

サバイバル知識 救難信号

救助を待つ間、救助者の注意を引く信号を送ること。

救助者があなたの居場所に気付けば、ケガの有無、食料や水の必要性など、より詳しい情報を伝えることができる。1912年のタイタニック号沈没以来、「SOS」の3文字が標準的な遭難信号となった。

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それらの文字を伝えるには、木、石、布などを使って地面に文字を書く、無線で発信する、音や発光信号でモールス信号(トントントン・ツーツーツー・トントントン)を送るなどの方法がある。

船舶や航空機の無線連絡では、「help me」にあたる、フランス語の「m’aidez」に由来する「メーデー(May Day)」が、遭難を表す用語として国際的に採用されている。

飛行機事故や自動車事故で生き残った場合、信号を送れる方法はさらに多くなる。鏡があれば、太陽の光を反射させ、上空を通り過ぎる航空機の方へ向ける。鏡はガラス製品や光る金属でも代用でき、反射した光は通常50~60km離れた場所からでも確認できるといわれている。過去には160km離れた場所に届いたと報告されたこともある。

また、火をたくことも非常に有効な方法だ。夜間でも遠くから確認でき、日中は煙柱が人目を引くからだ。横一列に並んだ3本ののろしは、遭難を意味する。

火をおこすための燃料は工夫して見つけよう。事故車には、光や煙を出すための材料がたくさんある。木を集めてガソリンをかければすぐに火が燃え上がる。

車のトランクや小物入れにある発煙筒はやけどをしないよう、扱いに慣れておく必要があるだろう。鮮やかな光を放つ代わりに高温の炎を噴出するので、ひどいやけどを負う可能性があるからだ。空中で炎を出すタイプの発煙筒は、遠くからでも確認することができる。降下する時間を長くするために、パラシュートを付けたタイプもある。空中で燃える時間が長ければ、捜索救助隊が気付く可能性が高くなるからだ。

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また興味があればご覧ください↓

世界で初めて"SOS"の信号を発した船舶、知っていますか?

船舶や航空機の無線連絡で使われる「メーデー」とはどういう意味か知ってますか?

通信手段

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ごく一般的な通信手段の存在も忘れてはいけない。

携帯電話とカーラジオ:

電波が遮断されておらず、通信圏内に受信者がいると仮定した場合、携帯電話とカーラジオが役に立つ。

短波ラジオ:

短波ラジオは、住宅地を離れた場所の方が電気機器の影響を受けにくいため、電波の受信状況がよくなる。

サテライトフォン(衛星電話):

サテライトフォン(衛星携帯電話)は、静止軌道上にある人工衛星を使い通信を行うため、地球のどの場所にいても通話可能だ。かなり役立つサバイバルグッズといえるが、問題は初期費用と1分毎の通話料金が非常に高額だということ。しかし、かつてのパソコンやその他のハイテク機器と同じく、技術が進み大量生産が行われるにつれ、値段も安くなる傾向にある。 

カーラジオを使い、身近な天候に関する情報を入手しよう。特に砂漠地帯では、その場所もしくは数十キロ先の暴風雨が洪水を引き起こす可能性があるので注意が必要だ。

POINT

救助信号として非常に有効な煙は、捜索隊が見つけてくれる確率を高めるだけでなく、地表近くの風向きをパイロットに伝えてくれる。しかし、自分でたいた煙で着陸地点や地上に置いた救助信号などを隠してしまわないよう、必ず風下で行うようにする。

信号を送るための道具

ホイッスル:「ドングリでホイッスルを作る方法」は後で紹介

金属製品:金属同士をぶつけ合うか、棒や石でたたいて音を出す

:炎の明かりは夜間でも見え、日中はのろしが目を引く

反射する物:鏡、光る金属

:形や文字を作る

雪、木の枝、土:地面に積み上げて文字を作る

懐中電灯、発煙筒

ラジオ、携帯電話、サテライトフォン

エマージェンシー・サテライト・ビーコン(衛星緊急ビーコン)

遭難や事故現場、キャンプを去るときは信号を残す

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助けを呼ぶためにキャンプや飛行機、車の事故現場を後にする場合は、救助隊が到着したときのために、情報を残さなくてはならない。

メッセージは上空から見えやすい形、地上から見えやすい形の両方を残す。地面と違う色の布やほかの材料を使って、キャンプを後にして進む方向に大きな矢印を作る。

矢印やほかの目印を地面に残しながら進めば、救助隊が見つけてくれる可能性が高まり、道に迷った時やキャンプに戻らなければならないときも役に立つ。

キャンプを去る場合は、わかりやすい場所に雨が降っても消えないメッセージを残す。メッセージに残す情報は、今後のプランやグループについての具体的な内容にする。グループは何人か、これからどこに向かうのか、ケガ人はいるのか、十分な食料と水はあるのかなど。それらのメッセージを木に貼る、三脚につるす、道標の一番上の石の下に置くなどして残す。さらにメッセージの場所を示す目印も置き、見落とされないことが肝心だ。

シグナルミラーを使って航空機に信号を送る方法

➀:シグナルミラーを太陽に向け、照準窓を通して裏側から太陽を見る。網状の光の輪が見えるはずだ。

➁:その光の輪の中に点が現れるように、鏡を前後に少しずつ動かす。

③:点を見失わないようにしながら、照準窓の中に航空機の姿がおさまるようにする。

④:点が航空機と重なるまで、慎重に鏡を傾け調整する。

⑤:航空機のパイロットがまぶしくないように、向けた光を前後に揺らす。 

おわん状のドングリを使ったホイッスルの作り方

➀:内側が滑らかで穴が開いていたり破れたりしていない、へたの取れたおわん状のドングリを見つける。

➁:両手の親指でVの形を作り、親指と人差し指でドングリを挟む。

③: 親指のVの部分に息を吹き込む。かん高い音が出るまで少しずつ位置を調節する。

視覚的な信号

火と煙は、遠く離れた場所まで広く救助サインを伝えることができる。特に、山火事を見張る監視員が常駐する地域では有効だ。

煙は60km離れた場所からでも見えるといわれる。夜間であれば、炎がヒマワリの花のようにはっきり見えるだろう。火、煙、光による信号は、尾根や丘でより効果を発揮する。

救助隊が来る可能性があれば、そのときにすぐ合図ができるよう、燃やせる物を集めて火をつける準備をしておこう。そして、エンジンの音が聞こえたらすぐに火をつける。生木は水分があり、白い煙を多く出すので役に立つ。濡れた毛布で煙を包んで、3回に分けて煙を空中に放つと緊急信号になる。木や草のない場所に1本だけ立っている枯れ木を燃やしても、効果的な信号になる。

大切なことは、その場所が空中からどのように見えるかをイメージすることだ。地面に土などを積み上げて影を作る。あるいは、石、低木、雪、土などを利用した3つの塊といった、一般的に遭難信号を意味する形に影を作る。または、サバイバルブランケットや防水シートを使って、SOSや国際的に採用されている対空信号を書くことも有効だ。

火による救難信号

焚き火

・火を3つおこすと遭難信号を意味する

・何もない場所にぽつんと立つ木を燃やしても遭難信号になる

・火に生木をくべるか油を注ぐと、煙をたくさん出すことができる

国際対空信号

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できるだけ高く、木に覆われていない場所に行き、石、枝、目立つ色の物、衣服などを使って地面、砂、または雪の上に次の文字を記そう。

F:食料と水が必要

I:深刻なケガがあり、医師の診察または救助が必要

X:動けない

→:この方向に進んでる

Ⅱ:医薬品が必要

LL:異常なし

対空信号の出し方は正確に

体を使って救助パイロットに簡単なメッセージを送ることができる。

たとえば、重要なメッセージ「救助してください」は、立ったまま両手を真っ直ぐ上に伸ばすことで伝えることができる。基本のボディ・シグナルを覚えておくか、この本のように信号が載っているガイドブックを携帯することで、緊急時でもパイロットへ正確なメッセージを伝えることができる。それによって、命が助かる可能性も高くなるのだ。また、間違った体の動きや形は、致命的な結果を導く可能性があるということも覚えておこう。

テキサスの写真家カール・マッカンは、間違ったタイミングで間違った信号を送ったために、1981年アラスカで死亡してしまった。

マッカンは辺境地を飛ぶパイロットに、500本のフィルムと数ヶ月分の食糧と一緒に、自分を原野で降ろしてもらった。しかし、冬が来る前に迎えに来てもらう手配をしていなかった。ハンティング用の弾薬が底を尽きかけた頃、飛行機が上空を飛んできたので「助けが必要」という信号を送ろうとした。しかし、不幸にも彼がとったジェスチャーは、片手の拳を空中高く突き出すポーズ(ガッツポーズ)だった。パイロットは、この信号を世界共通のメッセージ「大丈夫です。助けは不要」という意味に解釈したのだ。

マッカンは信号を送った後で、アラスカ狩猟免許証の裏に張られている印刷物を見て、正しい信号を知ったようだった。そこには、最も基本的な救難信号が棒線画で書かれていた。「彼らが通り過ぎてからもう一度戻って来たのに、救助してくれなかった原因は、その時、僕が何も信号を送らなかったからだろう(飛行機が通った時、僕は背を向けていたかもしれない)。きっと、変なやつだと思われて無視されたのだ」と、彼の日記には記されていた。

救助パイロットのボディ・シグナル

以下の信号を送ることは、地上に文字や矢印を書いて作る簡単なメッセージの捕捉になる。

・両手を真っ直ぐ上に伸ばす=「こちらへ飛んでほしい。または、救助が必要だ」

・両手を地面と水平に真横に伸ばす=「上空にいてほしい。または、手当てが必要」

・両手をバタバタさせる=「着陸して欲しい」

・両手を真横に伸ばしてから、ひじを曲げて両手を頭の横に当てる=「こちらへ飛んできてほしい」

・示したい方向を向き、ひざを曲げて腰を落とし、両手を前に伸ばす=「私が示している方向に着陸して欲しい」

・両手を頭の上で左右に振る=「ここには着陸して欲しい」

・地面に仰向けに寝て、両手を頭上に伸ばす=「手当てが必要」

・片手を頭上に伸ばし、もう一方のては下ろす=「問題なし」

音による合図と信号

音を使った信号は狭い範囲での合図に適している。音は水の上では遠くまで伝わるが、森林の中や地形、天候状態によっては地上で吸収されたり、ゆがんだりしてしまうからだ。広い平原では、救助員が叫び声やホイッスルの音を聞いた場合、そのほとんどが180m範囲内で最初の被災者を発見している。音は、遮蔽物の少ない砂漠や海、極地でより有効ということだ。

高音を出す車のクラクションや銃声は、かなり遠距離からでも注意を引くことができる。遭難信号として2つの金属や棒で丸太や木を叩いても、人の叫び声より遠くへ届く。また、ホイッスルは狭い範囲では、音声信号発信機として適している。ホイッスルの高音は低温よりも居場所を正確に示すことができ、声をからす心配もないからだ。

峡谷や樹木にぶつかると弱まってしまう光と同様、遮らなければ、音の合図は最も効果を発揮する。遭難を知らせるには、3つのアルファベットを組み合わせて音声信号を送る。モールス信号で「SOS」と送る時は「トントントン・ツーツーツー・トントントン」と叩く。モールス信号は使われなくなってきているが、3文字の「SOS」という救難信号は現在でも広く知られている。

無線や電話、緊急ビーコンで救難信号を送ろうとする場合は、バッテリーの消耗を抑えよう。メッセージの返事がすぐにこないようであれば、電源を切って数時間待ってから、再び試してみることだ。または、航空機のエンジン音が聞こえたら再度、電源を入れ信号を発信する。

短波ラジオを使う

・携行するラジオは、特定の周波に合わせやすい短波ラジオを選ぶ。

・弱い信号もキャッチし、不要な信号ははじく製品を探す。

・すでに持っているなら最高の受信環境になるよう、屋外にアンテナ線を張ろう。

・雷雨の時は、アンテナの接続を切る。

・周波数を7~9MHzにする。この周波数はリスナーも多く最も一般的。そのほか、12~16MHz、日本国内では3~10Hzが一般的だ。

・大気が安定しない時は19~23MHzは避ける。

・毎時15分と45分に遭難信号を発信する。この時間帯は国際的に指定されており、最も信号が受信されやすい。 

携帯電話と無線

携帯電話や無線を上手に使用することで、遭難者の発見と救助につながる。

推奨事項

・携帯電話や無線機は、できるだけ高台で使う。

・峡谷で電波が届かない場合、山の尾根まで移動する。

・VHF(超短波)無線の救助信号はチャンネル16に周波数を合わせる。

・最大限に受信できるよう、VHF無線のアンテナを航空機の飛行経路へ向ける。

・「メーデー」や「SOS」の救難信号を定期的に送る。

・外部アンテナを設置することで、送受信状態が良くなる。

・無線や信号機器のための予備バッテリーを必ず用意する。

禁止事項

・電子通信機器のバッテリーは無駄遣いをしない。

・峡谷では電波状況が悪いので、無線機や携帯電話は使わない。

・無線機や携帯電話を水や風、砂などにさらさない。

・応答がないからといって、継続して信号を送らない。

・信号を送るのをあきらめず、時間帯やチャンネルを変えて試す。 

おわりに

さて、これで「心と体の備え」および「技術と道具の備え」というサバイバル知識の基礎編が終わりました。

ここからは、温帯林や高山、砂漠、水上などの各条件に特化したサバイバル知識を紹介します。

皆さんもサバイバル、楽しんでください!

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