正しい発音は「サンタクローズ」だった!!
これは、ある年のクリスマス直前。
石川県の某ショッピングモール、地下のスイーツ街でケーキを吟味していたときのことである。
美味そうなモンブランを前に涎を飲み込んでいたそのとき、隣のカウンターから妙に鼻にかかった声が聞こえてきた。
どうやら、少々オタク気質な男性が店員さんに語りかけていたのだ。

えへへ、知ってますか?
「サンタクロース」の発音は本当は「サンタクローズ」なんですよ!
別に複数形ってわけじゃないんですけどね(笑)ぐへへ
…まさに、変なところで豆知識を披露したがる男、ここに現る。
そして驚くことに、彼はそのまま何も買わずに立ち去っていったのである。
残された店員さんはというと、まさにポカーン。
口が「( ゚д゚)」の形になっていた。
後日、この謎の発音ネタをイタリア人の彼女(筆者の自慢である)に訊いてみたところ──
なんと、事実だった。
有名なあのクリスマスソングでも「サンタクローズィズ カーミン トゥ ターウン♪♪」と歌っているではないか!!!!
ここで注目すべきは、日本人が苦手とする「有声音」である。
英語の「z」や「d」の音が日本語には存在しないため、自然と無声音に置き換わってしまうのだ。
- Santa Claus(クローズ)→ サンタクロース
- ベッド→ベット
- バッグ→バック
- ビッグ→ビック
- アイポッド→アイポット
といったように、日本人特有の発音変換が起こってしまう。
しかし英会話でこのように発音すると大混乱を招く。
サンタクロースやアイポッドはいいとして、
Bed(ベッド)⇔ Bet(賭け)
Bag(かばん)⇔ Back(背中)
Big(大きな/大きい)⇔ Bic(銀行投資契約)
例えば英会話の場で、”I slept on the bet.”(私は賭けの上で寝た)などと言ってしまった日には、もはや意味不明である。
“Put it in the back.”(背中に入れておけ)などと言われたら、相手は強盗かスパイかと身構えるだろう。
つまり、発音ひとつで人生が狂う可能性がある──これは大げさではない。
というわけで、日本人諸君。
次のクリスマスからは胸を張ってこう言おう。
「メリークリスマス! サンタクローズが来るぞ!」
発音が良すぎて引かれるかもしれないが、そこはご愛嬌である。