紅衛兵の四旧打破
中国の共産化を目指す紅衛兵たちは、四旧打破(しきゅうだは)を叫び毛沢東様の敵(=共産化っぽくないもの)を求めて街頭に進出しました。
四旧打破とは
- 旧思想
- 旧文化
- 旧風俗
- 旧習慣
を一掃することで、要するに
全てぶっ壊せ!
ということで、紅衛兵はみな「毛沢東語録」を片手に暴れまくりました。
(出典:Photos of Red Guards, China 1966)
毛沢東語録
「毛沢東の考えや過去の言葉をまとめたもの」で紅衛兵は「学校なんか行かなくてもこれさえ読んでいればいいんだあ!!」と信じていた。
やりたい放題の紅衛兵
それでは紅衛兵たちが実際にどういう事をしたのかを軽く見ていきましょう。
これらは街中で普通に起きたことばかりなんです(゜.゜)
- 「古い考えは要らない」として古い書物や文化財を破壊した
- 中国内の教会や寺院が襲われ、仏像が壊されたり経典が盗まれたりした
- 愛国歌を間違えただけで老婆を処刑した
- スカート/パーマなどは革命的でないとして、革命に適した動きやすい人民服とおさげを強制した
- 赤は共産党のシンボルなので「赤信号で止まるな」と指導し交通事故が多発した
- 北京ダックで有名な高級レストランに乗り込み、もっと庶民的な料理にしろと命令した
- 化粧した女性を反革命的としてレイプして殺した
- 「毛沢東語録があるので勉強なんてする必要がない」として全国の小中高大の授業を中止に追い込んだ
- 実権派の党幹部を次々と粛清した
まさにアホの塊です。
しかも大の大人が20歳前後の生意気なクソガキ大学生に無茶苦茶命令されまくるなんて、考えただけで不愉快ですね(笑)
四人組
この左下にいるおばさんは江青(こうせい)と言い、毛沢東の最後の夫人です↓
(出典:Twitter)
四人組とは文化大革命期に毛沢東の周辺で実権を振るった四人(男三人女一人)を指し、毛沢東復活運動を推進した陰の立役者で、紅衛兵を操っていました。
いわゆる虎の威を借る狐どもです。
毛沢東の死後、激しい権力闘争の中で結局逮捕され死刑判決を受けたり懲役20年をくらったりしました(´っ・ω・)っザマアミロ
紅衛兵同士の争い
紅衛兵のテンションが上がるにつれ、徐々に紅衛兵同士の争いも多くなってきました↓
「お前の意見は間違っている、俺の言うことを聞け」
「俺こそが紅衛兵のリーダーにふさわしい男だ」
などの口論を発端に、紅衛兵同士の争いも激化しました。
警察は紅衛兵同士の殺し合いを見ても止めてはいけないので、紅衛兵の死者も山ほど出ました。
ちょうどこの頃、両腕を縛られて殺害された「大量の死体」が中国大陸にある川から沿岸部の香港に次々と流れ着くようになりました。
↑香港の位置
香港は当時イギリス領だったため、中国内の情報が入らず
どうやらとんでもない事が中国で起きているようだ。
恐らく文化大革命が原因だろう。
と推測するしか無かったと言われています。
毛沢東復活!!
文化大革命を経て、実権派の幹部は一掃され、中国を資本主義的に改革しようとした劉少奇や鄧小平らは、反乱分子として批判され失脚しました。
じゃあ誰が指導者になるべきか?
当然、共産党主席の毛沢東です。
という事で、毛沢東が中国の国家主席の座に再び帰ってきました。
「うぇーーーーい、復活~~~~♪♪」
1966年から続いた文化大革命の共産化運動、しかしこれで終わりではありません。
毛沢東はふと考えました。
いつ私に牙を向けるかわからんよな。
うん、よし決めた!
と・・・。
下放運動(=下郷運動)
再び中国国家主席の座に就いた毛沢東は、紅衛兵たちに対して下放運動(かほううんどう)を始めます。
下放(下郷)運動
学生を一定期間、農村や工場に入れ、労働者/農民と共に働かせることで、その経験を通じて「他人に奉仕する精神を養わせる」ことを目的とした運動
つまり、
若者は頭だけ良くても意味がない。
本当の革命思想とは現場を見て体を使って汗を流して学ぶべきだ。
ということなんです。
この下放運動により全国各地の若者2,000万人を農村に追放しました。
え、おれ別にダサい農民になりたかったわけじゃないんすけど。
やっべーマジでキレそうっすわ~
これで本当に歯向かう者がいなくなり、毛沢東は心安らかに独裁を復活させることができましたとさ。
おしまい
おわりに
結局、文化大革命は1976年に毛沢東が死去すると同時に終わりました。
現在の中国は相変わらずの一党独裁体制で大変な思いをしている人も多いと聞きますが、社会主義国家の運命として一部の指導者層に一国の富と権力が集中するのは仕方ありませんね。
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