デンマークの首都、コペンハーゲン旅行記【16/16】

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2017年12月20日から2018年1月10日まで、カタール航空のモニター募集に合格し、ヨーロッパを無料で旅する機会を得た。

今回はその旅の中から、デンマークの首都コペンハーゲンでの滞在についてお伝えする。

» モニターのお話(クリックで開く)

このモニター旅は、書類審査でヨーロッパ旅行にかける思いを綴るところから始まった。

そこから、カタール航空の関係者との面接までをクリアし、数々の制約もすべて了承した上で、ヨーロッパ行きが実現した。

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モニター募集 合格

最もつらかったのは何だったか。

正直に言えば、「1日2回、指定されたハッシュタグ付きでSNSに近況報告を投稿する」という義務だった。

しかし、そのおかげで、今回の旅では全ての滞在地に自分の正直な感想が残されている。

それらの記録も参照しながら、本記事を書き進めていくことにする。

» 折りたたむ

ということで、モニターとしてヨーロッパに入った。

それでは、コペンハーゲン滞在記をお楽しみいただきたい(∩´∀`)∩

デンマークの首都、コペンハーゲン旅行記

ついにやって来た。

スウェーデンの首都ストックホルムから、念願のデンマークの首都コペンハーゲンに到着である。

ここコペンハーゲンは、町並みの美しさはもちろんのこと、あの童話界の大御所アンデルセンの生誕地としても有名である。

そのご縁からか、港には「人魚姫像」なるものがちょこんと座っているのだが、あまりに小さすぎて見逃す者多数。

油断禁物である。

そしてもうひとつ、町の目玉と言えば「ストロイエ通り」。

こちら、世界初の歩行者天国という肩書きを持っており、まさに人間が優先される道。

自転車天国の北欧では、逆にかなり珍しい。

Danhostel Copenhagen City

コペンハーゲンでの宿泊先は「Danhostel Copenhagen City」。

なんと、主要駅から徒歩10分という神立地。

そして目の前にそびえる謎の近代建築。まさか、これがホステル……?

筆者「え、こんな立派な建物に泊まっていいんですか?(震え声)」

自動ドアがシュイーンと開き、受付カウンターはまるで空港のような洗練されたデザイン。

こちらのテンションだけがバックパッカーのまま取り残されている。

チェックインを済ませ、案内されたのはなんと5階か6階の部屋。

筆者「はああぁぁぁ!!???」

思わずぶちギレそうになったが、エレベーターがあることに感動する筆者。

安宿マインドが骨の髄まで染み付いており、階段のみだと思っていたのだ。

エレベーター横には広々とした食堂スペースがあり、明日の朝食に胸を膨らませる筆者。

筆者「よし、明日の朝はここで北欧ビュッフェと洒落込むか…!」

しかし、現実は非情である。

まさかの朝食ビュッフェ無し。

まあ、物価の高い北欧において一泊2000〜3000円で泊まれるだけでも奇跡に近い。

朝ごはんの夢くらい、断たれて当然かもしれぬ。

同室のミステリー

エレベーターを降りてすぐ、筆者の部屋があった。


これは廊下

部屋に到着すると、すでに先客の荷物が置かれていた。

筆者「どんな人かな…おもしろい奴だったら嬉しいな…下ネタOKだったら尚良し…」

などと妄想していたが、まだご対面には至らず。

部屋からの眺望は文句なし。

コペンハーゲンの街が一望でき、思わず「ここ、ホステルだよな?」と確認したくなるレベルの景色である。

総じて、非常に満足度の高い宿である。

「ホステル界のペントハウス」と呼んでも差し支えない。

詳しくは以下の公式HPをご覧あれ:

https://www.danhostel.dk/en/hostel/danhostel-copenhagen-city

オープンサンド

「オープンサンド」と聞いて、即座に脳内で明確なビジュアルを浮かべられる人間が、果たしてどれほど存在するのだろうか。

筆者「正直、まったく分からなかった。パンが開いてる?何がどうなってオープンなのか…」

とにかく空腹である。

コペンハーゲンの目抜き通り「ストロイエ通り」を進み、観光の王道ニューハウンや人魚姫像を見に行く前に、腹を満たさねばならない。

そんなわけで、ふらりと立ち寄ったのがこちらのお店↓

この店、いかにも北欧らしい雰囲気を醸し出しており、ぱっと見では普通の民家である。

実際、デンマークでは自宅の一部を改装してカフェや雑貨店を経営している人々が多い。

これがまた、どこもおしゃれで良い感じなのだ。

さて、肝心のオープンサンドである。

これは要するに、フランスパンを斜めにスライスしたものに、これでもかと具材を盛った状態を指す。

ふた(上のパン)がないので「オープン」なのだ。
なるほど、そう来たか。

「え、それトーストじゃないの?」
「ピザトーストと何が違うの?」

と心の中で疑問が爆発するも、ひとまず黙って食べる。

うまい。

トマト、アボカド、ハム、エビ、ゆで卵など、具材のバリエーションは無限大。

さらに言うと、デンマークではこれが“伝統的な昼食スタイル”らしく、「スモーブロー(smørrebrød)」という正式名称までついている。

筆者「名前がすでにうまそう。スモーブロー。絶対カロリー高いやつやん。」

ちなみにチェコ共和国でもオープンサンド文化は盛んで、見た目の華やかさからパーティー料理やおもてなし料理として大活躍しているらしい。

おそらく世界のオープンサンド連盟が存在しているに違いない(知らんけど)。

ストロイエ通り

いよいよ、世界で最初に「歩行者天国」として整備されたというストロイエ通り(Strøget)を歩く時が来た。

全長はおよそ750m、観光とショッピングを兼ね備えた一本道である。

この通り、正直に言ってめちゃくちゃ面白い。

歩いているだけで時間が溶けていく。

目的地はというと…その先に待ち受けるのは、世界三大がっかり名所のひとつ、「人魚姫像」である。

どうしてわざわざ“がっかり”しに行くのかと問われれば、もはや義務感である。

通りの入り口がわからなければ、とりあえず下の市庁舎の塔を目印に歩けば良い。

方向音痴であっても、最終的にはたどり着くはずである。

なんせストロイエ通りの入り口の目印は「BURGER KING」である(笑)

ストロイエ通りの見どころは(どのサイトを見ても大抵同じだが)いくつかあるので、紹介しよう。

レゴ本店

言わずと知れたデンマークが誇るブロック王国「LEGO」の本店がここにある。

世界中のレゴファンが巡礼のごとく集まってくるが、筆者は実は一度も中に入ったことがない。

それでも外から見えるショーウィンドウの巨大レゴ作品だけで満足できてしまうのだから、ある意味すごい。

ロイヤルコペンハーゲン&ジョージ・ジェンセン

どちらもデンマーク発祥の高級ブランド。

  1. ロイヤルコペンハーゲン → 高級陶磁器
  2. ジョージ・ジェンセン → 高級ジュエリー

この2店、なんと隣り合っている。

競合関係にあるようには思えないが、なぜかこの“高級本店の並び”には妙な緊張感が漂っている。

おそらく財布のひもが自動的に硬直するせいだろう。

ストーク噴水広場

個人的にはここが一番面白い。

広場には大道芸人が多く集まり、パントマイムやジャグリング、音楽など見ているだけで楽しい空間となっている。

まさにストリートカルチャーの結晶。

時間が合えば、ぜひ立ち止まってしばらく見物することをおすすめしたい。

下手に観光地を回るよりも“北欧の空気感”を感じられる瞬間である。

ギネス記録博物館

この施設の目印は、入口に立っている「とんでもなく背の高いおっさん」である。

人魚姫 デンマーク アンデルセン

筆者は身長182cmあるが、そのおっさんの胸元くらいにしか届かなかった。

まさか、ここまで圧倒的な“上から目線”を感じたのは初めてである。

入口をくぐると、今度はそのおっさんが衣装チェンジしてちょこんと椅子に座っている。

そう、見上げるだけでなく見下ろされもするのだ。

なんだこの立体構造。

中も非常にユニークな展示ばかりなので、ギネス記録マニアでなくとも楽しめる場所となっている。

ニューハウン(Ny havn)

ギネス記録博物館を越え、しばらく歩いていると──

おお、視界が急にカラフルになったではないか。

目の前に広がるのは、絵本から飛び出してきたかのようなカラフルな建物群。

まるで建築家がテンション上がりすぎてクレヨンで塗ったかのような街並みである。

そう、ここがあの有名な 「ニューハウン」 だ。

ニューハウンって何ぞや?

ニューハウンとは、まあいわゆる港町のことですな(←適当

……と思っていたが、一応ちゃんと調べてみた。


↓(五分経過)

なるほど、これはなかなか深い。

もともとは世界中から船が集まり、船乗りとお姉さまたちが夜な夜な盛り上がっていた場所である。
港沿いにはパブやレストランが立ち並び、現在では観光客の胃袋を狙い撃つ名所と化している。

さらに注目すべきは、かの童話作家 ハンス・クリスチャン・アンデルセン が、この港沿いの建物に実際に住んでいたことだ。

アンデルセンは、ニューハウンの両端に位置する建物の一室を借り、ここで数々の名作を書いたという。

ふむふむ、クリスマスの時期には地域総出で昔通りのクリスマス感を演出するので絶対に行った方がいい、と。

まさに、童話と船乗りが共存する不思議空間。

それがニューハウンである。

Visit Copenhagen

The colourful houses of Nyhavn are one of the most iconic sp…

写真を撮るなら“水が止まる”のを待て

ニューハウンで写真を撮る際のコツはひとつ。

水が完全に静まり返るまで待つこと。

そうすれば湖面が鏡のように建物を映し出し、「これはインスタに投下せざるを得ない」と叫びたくなるほどの“映え”ショットが撮れる。

ちなみに、これが私のお気に入りショットである。

デンマークと言えばチュロス

ニューハウンを歩いていると、とにかくチュロス屋が多いことに気づく。

至るところで甘い香りが漂い、観光客の鼻腔と財布をダイレクトに攻めてくる。

筆者「おお、なるほど。さすがデンマーク発祥のお菓子……!」

──とドヤ顔で思ったのだが、

・・・(五分後)

調査結果:チュロスはデンマークとは無関係だった。

どうやら、チュロスというのはスペイン・ポルトガル・モロッコ、そしてラテンアメリカで広く食べられている揚げ菓子である。

起源には諸説あり、主にスペイン説とポルトガル説が有力とのこと。

いずれにせよ、北欧は関係ない。

筆者「え、でも“Churro”でググるとデンマークの記事が大量に出るんだが……?」

これは恐らく、現代における「チュロス=映えスイーツ」というポジションが、北欧の洒落た町並みに合致した結果、“チュロス in デンマーク”写真が大量生産されている現象なのではないかと思われる。

つまり、起源ではないが定着はしているという、納豆と沖縄くらいの距離感である。

チュロスのお値段と破壊力

さて、そのデンマーク・チュロスであるが、価格は48デンマーク・クローネ。

当時のレートで1DKK=約18.2円なので……筆者(暗算中)

48 × 18.2
=(48×18)+(48×0.2)
= 864 + 9.6
= 873.6円

チュロス1本が873円。

高すぎではないか?

テーマパーク価格である。
いや、むしろテーマパークのさらに向こう側。

しかし、実際に見てみるとこれがまたなかなかのボリュームなのだ。

構成は以下の通り。

  • 油で揚げられたチュロス
  • +砂糖たっぷり
  • +チョコレートたっぷり
  • +ソフトクリームたっぷり

これはもう、デブの四乗である。

数式で書くとこうなる:

チュロス × 糖分³ = デブ⁴

健康志向の人にはオススメできないが、「旅先の自分は無敵だ」と思っている人にはピッタリのスイーツである。

見た目も味もインパクトも満点。

ただしカロリーも満点。

カラフルな家

ニューハウンを歩いていると、まず目に飛び込んでくるのがカラフルすぎる家々の行列である。

赤、黄、オレンジ、グリーン──まるで絵本の中の景色のような光景だ。

筆者「いや、統一感なさすぎでは?隣と相談してから色決めてくれ」

しかし、このカラフルなビル群にはちゃんとした理由がある(はず)なのだ。

船乗りのための目印だった説

曰く、夜、漁や航海から戻ってきた船乗りたちが、遠くからでも自分の家を判別できるように、隣と色を変えたらしい。

デンマーク コペンハーゲン

筆者「なるほど、理にかなっている。灯台の代わりにペンキというわけだな」

が、問題がある。

そう、この情報、調べてない。

むしろ堂々と調べていない。

ここまでくると、真偽などどうでもよくなってくる。

旅先では「信じたいものが真実」なのだ。

ソクラテスもそう言っていた(ような気がする)。

アマリエンボー宮殿

ストロイエ通りを抜け、カラフルなニューハウンを経てさらに数分歩くと、突然目の前にバカでかい広場が現れる。

それがアマリエンボー宮殿である。

Wikipedia先生いわく──

女王の滞在中にはデンマーク近衛兵が、午前11時30分にローゼンボー城からコペンハーゲンの通りを通過し、正午にはアマリエンボー宮殿の前で衛兵交代する。

宮殿前広場は市民に開放されており、衛兵交代式も観光行事となっている。

また、1863年から1947年までの国王たちが使用していた寝室や持ち物などが公開されており、当時の王室の暮らしぶりを知ることができる。

(出典:Wikipedia「アマリエンボー宮殿」)

「ん、女王の滞在中には近衛兵がいる?」

つまり、この日女王はご在宅だったということだ(ドヤ顔)

この宮殿、外から眺めるだけではない。

なんと、1863〜1947年までの国王たちの寝室や私物、生活空間がそのまま公開されている。

「王族って本当にこのベッドで寝てたんか……」と妄想しながら歩ける、貴重な歴史空間である。

建築がわからなくても楽しめるのがこの宮殿の良いところ。

広場に立つだけで、妙に背筋が伸びる気がするし、衛兵の足並みを見るだけでも何か厳粛な気分になれる。

カステレット要塞

ストロイエ通りからニューハウンを抜け、さらに歩を進めると、目の前に突如現れる緑豊かな公園──

それがカステレット要塞である。

「カステレット“要塞”」などと物々しい名前をしているが、実態は癒し全開の超きれいな公園である。
芝生よし、木陰よし、ベンチよし。
名前と中身のギャップがすごい。

デンマーク コペンハーゲン 人魚姫

デンマーク コペンハーゲン 人魚姫

そんな公園の中に、例のあれが佇んでいた。

世界三大がっかり『人魚姫像』

そう、かの有名な人魚姫像である。

かわいそうな人魚姫なのである。

そもそも人魚姫像制作の経緯が結構面白いのだ。

制作の経緯としてWikipediaに書かれていることを、長文読むのが嫌いな横着者たちでも読んでもらえるように2行で要約してみた。

人魚姫のバレエを観て感動したお金持ちが彫刻家に美しい人魚姫像の制作を依頼。

全身のモデルを美人プリマドンナ(オペラで主役を務める女性歌手)に依頼したものの、裸体は拒否され仕方なく首から下は彫刻家の奥さんをモデルにした。

という事らしい、へー。

自分の妻の裸体を彫刻にするなんて…という気もするがそこはプロ根性の表れか。

そもそも人魚姫ってどんな話?

ここで原作をおさらいしておこう。

ある人魚の王国で生まれ育った6人娘の末っ子の人魚は15歳の誕生日に初めて海上に出ることを許される。

» 続きを読む

そこで偶然船に乗った王子様を見かけて一目惚れする。

その後 船は嵐で難破し人魚は王子様の命を助けるが、王子様が気が付いた時にはもう人魚の姿はなく、そのとき浜辺にいた別の女性が自分の命を救ってくれたと勘違いする。

日に日に王子様への想いが募っていく人魚はある日、とうとう海底の魔女のもとを訪れ自身の「美しい声」と引き換えに人間になる薬をもらう。

その際「王子様が別の女性と結婚すればお前は海の泡になる」という警告を受ける。

浜辺で人魚が気が付くとそこには人間と同じ両足があるが、歩くたびに痛みが走る。

しかし人魚姫はとうとう王子様を見つけ彼の侍女として共に御殿で暮らし始めることができた。

初めは純粋に喜んでいた人魚姫も次第に想いを伝えられないもどかしさを募らせる。

そんな中とうとう王子様の前に、浜辺でみた女性(隣国の姫君)が現れ2人は結婚することになる。

人魚姫の身を案じた5人の姉たちは、自分たちの髪と引き換えに魔女からもらった短剣を彼女に渡し「王子の流した血で人魚の姿に戻れる」旨を伝える。

しかし結局愛する人を殺すことなんてできない人魚姫は海に身を投じて泡に姿を変えた。

» 折りたたむ

ディズニーのアリエルは最終的に王子と結ばれ、ハッピーエンドになるが、原作は完全にバッドエンドである。

確かに人魚姫のストーリーを考えながらこの像を見ると、ちょっと可愛そうな気もする。

世界三大がっかりの理由などについてもう少し知りたい方はこちらをどうぞ↓

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コペンハーゲン 人魚姫像

南アフリカ共和国から

人魚姫像を見終え、心にほんの少しの哀愁を感じながら、再び街を歩く。

通い慣れたニューハウン、賑やかな噴水広場を抜けて、宿までの道のりは約3キロ。

夜風がちょうどよい。
疲れてはいるが、悪くない。

出発時には誰もいなかった宿の部屋。

だが、帰ってくると見知らぬ超仲の良い(イチャイチャしている)カップルがそこにいた。

ラブコメ最終話レベルの親密さであった。

筆者(固まる)
「……え、あの、ここって…ドミトリー…ですよね?(心の声)」

人目を気にせずにR15指定の愛を育んでいる二人に筆者は圧倒された。

欧米人のスキンシップに慣れていない筆者のメンタルは、ここで一度バグを起こす。

完全に「勝手に始まってるカップルの世界」に圧倒されたのである。

だが、次の瞬間。

彼女の方がニコッと笑いながら話しかけてきた。

彼女「Hi!どこから来たの?」

筆者「……え、あ、ジャパンです。(思ったより普通に会話が始まった…)」

そこから会話が始まり、話してみるとなんと2人は兄妹らしい!!!

しかも出身は――南アフリカ共和国!

聞くと2人は南アフリカ共和国出身だというのです↓

筆者の頭の中では、次のような疑問が一気に弾け飛んだ。

  1. 「アフリカ=黒人=槍と裸足」のイメージ → 崩壊
  2. 「アフリカで白人?しかも英語喋ってる!?」 → 驚愕
  3. 「え、兄妹!?え、マジで!?」 → 再び驚愕

それまで持っていた「アフリカ」という言葉の持つイメージが、バラバラと音を立てて崩れ落ちた瞬間だった。

アフリカ大陸=灼熱=黒人=裸足と槍=野生動物=聞いたことない言語

偏見とはかくも恐ろしいものだと実感した当時の筆者。

すっかり打ち解けた我々は、Facebookを交換。

自分用に持っていた具無しインスタントラーメンを2人に振る舞った。

それが彼らの人生初ラーメンだったらしい。

オリヴィア(妹)はラーメンを一口食べた後、

「SO YUMMY(最高!)」

と叫びながら笑ってくれた。

特に妹のオリヴィアは「早く南アにおいでよ」とよく誘ってくれる。

ちなみに、後日彼女からは「拾った犬の名前を日本っぽくしたいから相談に乗って」と謎のメッセージが届いた。

筆者「人生、どこで誰と繋がるかわからないものである」


南アフリカ共和国は絶景の宝庫でもあるらしい。

この日、世界三大がっかりの人魚姫像を見て、歩いて、疲れて、最後に南アから来た兄妹とラーメンを分け合って、自分の中の「世界のイメージ」がまた少し広がった気がした。

カタール、日本へ

では翌朝早くに出て、カタールで一度乗り換えて日本に帰る。

朝、空はまだ半分寝ていた。

コペンハーゲン中央駅に向かう道すがら、筆者は少しセンチメンタルな気分になっていた。

しかし駅に着いた瞬間、センチメンタルなど吹き飛んだ。
あまりの美しさに。

もはや駅ではない。
これはほぼ教会。

天井のアーチに目を奪われ、柱の重厚感に感動し、
「この柱、何建築や…?バロック?ネオクラ?…ネオバロッククラシカル融合型?」
と勝手に建築用語を編み出していた。

一眼レフを持っていたら多分、遅刻していた。

いや、してもいいと思っていた。

それほどに、駅すら芸術なのがデンマークという国なのである。

これが「駅は通過点」という概念をぶち壊す瞬間である。

おわりに

というわけで――2017年末から2018年にかけて決行された、筆者のちょっとだけ背伸びしたモニター旅が、ついに幕を閉じた。

今回の旅は、個人の力では到底成しえなかった規模であったが、以下の“旅の三種の神器”に支えられて実現したものである。

航空券:カタール航空
中東の砂漠からやって来たと思えぬほどのクールな対応と、機内食の丁寧な味。
「本当にこれLCCなのか?」と何度も確認したのはここだけの話だ。

宿泊先:日本ユースホステル協会
 コスパの暴力。それでいて清潔、安全、そして他の旅人との奇妙な出会い(とたまに気まずい朝)。

移動手段:レイルヨーロッパのユーレイルパス
 改札を通るたびにテンションが上がり、車窓を眺めるたびに「自分、今ヨーロッパにいる…」と実感させてくれるマジックアイテムである。

特筆すべきは、カタール航空の底力である。

当初「名前がかっこいいから選ばれたんじゃ?」くらいの認識だった筆者だが、搭乗5分で掌を返した。

座席の広さよし、CAの気配りよし、トイレの香りまでよし。

「欧州行きが7万円台から」という価格帯を見て、思わず「それで採算合ってるんか?カタールに金鉱でもあるんか?」と心配になったほどだ。

LCCを超えた素晴らしい航空会社だと思ったので、もし安くて質の良い航空会社をお探しなら是非カタール航空を使ってみては。。

欧州行き早割り運賃「オリックス40」76,300円~人気のヨーロッパ10都市へ【カタール航空】


…とまあ、ここまで書いてきたが、これらの紹介が少々持ち上げ気味なのは当然である。

なぜなら今回、スポンサーになってもらったからである(ドヤァ)。

しかし、筆者の中では「ステマ」ではなく「ガチ推し」と言い切れる自信がある。

モニターで行ったが、もし次に行くなら自腹でも使う。

それくらいの価値があった。

もしここまでの旅の話を読んで、

  1. 「もうちょっと読みたいな」
  2. 「他にも面白い話ないの?」
  3. 「で、結局あの兄妹は今何してるの?」

…などと思ってしまった物好きなあなた。

2025年の最新の記録も、笑いあり涙あり恥ずかしさありで残っているので、ぜひこちらをクリックしてもらいたい。

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