はじめに
先日「風力発電と太陽光発電が砂漠の緑化に貢献する」という研究報告を目にしたときに、自分も以前実際にオーストラリアの砂漠でテント泊したことを思い出して、まずは砂漠の基礎知識をご紹介しようと思い立ったわけです、はい。
2017年11月に2週間オーストラリアへ行きました。
初めの1週間は向こうの空手の先生のところにお邪魔して稽古したりメルボルンを案内して頂いたりお世話になり、残りの1週間は自分でレンタカーを借りて好きな所に行って好きなことをしてきました。
皆さんは砂漠ってどんなイメージがあるでしょうかね?ぼくにとっては
・星がきれい
・空気が澄んでいる
・恐ろしい蠍や蜘蛛がいる
・昼は灼熱、夜は極寒
・オアシスがある
くらいですかね。まあたぶん誰に聞いてもこんな感じやと思います。
» 太陽光発電の余談
早速余談ですが、まだ大学生の頃、O教授の講義で太陽光発電についての詳しいお話があり「あのサハラ砂漠の面積の2%でいいから、ソーラーパネルを敷き詰めることができたら、それだけで世界中の電力需要がまかなえるんだよ。」と言ってはったのを思い出します。笑
更に余談ですが、未だ太陽光発電の発電効率は高くても30%ほどで、70%は大気中に反射したり熱に変わったりして損失として失われるようです。しかしその熱を再利用することで、結果的に太陽エネルギーの80%を利用することが可能らしいんです。
へーすごい!しかもパネル表面を細かくボール型にくり抜いて反射鏡のようにすることによって、太陽光を2,000倍にしてセンサーに集中させることができるようです(当時の技術で既に!)
» 折りたたむ
では実際に、砂漠の中でテント泊することにとても憧れをもっていたぼくがみたものとは感動と危険が混ざりあう世界でした。
砂漠とは
まあ皆さんも砂漠については漠然とした知識をお持ちだと思いますが、一応説明させてください。まあ何事も本来の定義を知っているに越したことはありませんからね!
砂漠を最も簡単に言い表しているのがこちら(まあ皆さんの想像通りだと思いますが)
雨量が極端に少ないため植物がほとんど育たず、岩石や砂礫からなる地域
デジタル大辞泉より
めっちゃ簡潔に言い表してる。笑
この「極端に少ない」とは事典によっても定義が違いますが(それいいんか?)「年間の降雨量が200mm以下/250mm以下の地域」となっています。
また、単に砂漠とは言っても大きく二種類に分けることができるらしいのです。
砂礫に覆われている砂漠を砂砂漠,基盤岩石が露出している砂漠を岩石砂漠という。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より
へー面白い!しかも諸説あるが、実は世界の砂漠の面積の70~90%は岩石砂漠(砂以上岩石以下の礫砂漠含む)なんやって!へーさらに驚き!
参考までに
砂砂漠↓(こういう砂漠は超レアなようですね)
礫砂漠↓
岩石砂漠↓(世界の砂漠の面積の70~90%は上の礫砂漠か下の岩石砂漠)
砂漠の漠という漢字
よく子供が「砂漠の漠ってなんでさんずい偏なの?水が無いのに」という質問をすると聞きます。ぼくはそんな疑問を持たずに漠然と少年時代を過ごしましたが、高校時代の古典の授業で「莫き(なき)」という文字を見た時に「あ!水が無いから漠か。へー」と自解した思い出があります。
世界で最も乾燥している場所
砂漠と言えば極限の乾燥地帯
これは間違いありませんが、世界で最も乾燥している場所は世界中に存在するいわゆる砂の「砂漠」ではありません。ゴルゴ13の漫画中でもありました。
世界で最も乾燥している場所は南極です
砂漠の定義は色々ありますが、南極も砂漠の定義を満たしているので
世界最大の砂漠は南極内陸部の氷原
と言うことができます。でもややこしいので、ここでは「砂漠=砂のやつ」ということにしときます!
これもゴルゴ13情報ですが、北極南極を歩く際に最も気を付けるべきことは失明だそうです。極地方のように辺り一面が氷や雪の世界の場合、強烈な紫外線をもつ太陽の照り返しをもろに眼に受けると角膜が焼け瞬く間に視力低下・失明するそうです。
世界の有名な砂漠
世界には無数の砂漠があり、学者でもない限り聞いたことのないような意味不明な砂漠がいくつもあります。
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの準ポピュラー砂漠も置いておいて、とりあえずぼくが死ぬまでに行きたい砂漠を紹介します。
世界的に有名な砂漠として挙げられるのが、
世界最大のサハラ砂漠
皆さんご存知、という言葉がまさにぴったりの世界最大の砂漠です。
こちら↑の地図を見てください。アフリカ大陸がありますよね!サハラ砂漠はそのアフリカ大陸の北部をぐわーーーっと覆っている白い(茶色?)の部分です。
サハラ砂漠はアラビア語の「サフラ」に由来し「不毛の地、荒野」という意味です。
サハラ砂漠のど真ん中で満天の星空を見ながらテント泊というぼくの夢はいつ叶うんでしょう?きっとすぐです。笑
油田が眠るアラビア砂漠
アフリカ大陸から紅海をはさんだ向かいの砂漠↓はアラビア半島にあるので広義としてアラビア砂漠と呼ばれます。広い意味でのアラビア砂漠は更に細かい幾つかの砂漠(ルブアルハリ砂漠、ダハナ砂漠、ネフド砂漠など)に分けられます。
特に世界最大級の大きさでアラビア半島南部の1/3を占める砂漠を「ルブアルハリ砂漠」と言います。ルブアルハリとはアラビア語で「何もない土地」を意味します。
ちなみに中東諸国と言えば世界最大の産油国の集まりですが、下の地図↓の黄色の部分に世界の60%以上の石油が眠っているようです。石油が武器になる恐ろしい時代です。
中東系で起こる戦争の原因は基本的に、宗教(イスラエル・パレスチナ問題やイスラム過激派)か石油(中東戦争)です。
世界最古のナミブ砂漠
ナミブ砂漠と聞いて「あ、世界最古の砂漠やろ!?」という人は少ないと思います。
なぜなら、ナミブ砂漠と言えばこの絶景!
地形と太陽光が作り出す自然の絶景です
ナミブ砂漠はおよそ8000万年の歴史が息づく世界最古の砂漠と言われます。
地獄の門があるカラクム砂漠
カラクム砂漠…ぼくもよく知りませんでした。
でもこちらの写真を見ればどこにあるのかわかる人が多いと思います↓
はい、トルクメニスタンです。笑
通称「地獄の門」とか「地獄の扉」とか言われますが、お堅く言うとダルヴァザ(Darvaza)と呼ばれるトルクメニスタンの砂漠の中の集落の近くにあります。
燃え続けている理由
1971年に地質学者による天然ガス鉱床のボーリング調査中、落盤事故が発生し有毒ガスを含む天然ガスが大量に噴出し、安全のためやむを得ず火を点けてガスの放出を止める事にしたらしいのです。
それ以来50年近くクレーター内部ではガスが燃え続けており、天然ガスが燃え尽きるまであと何十年、何百年かかるかわからないらしいのです!
おわりに
いかがでしたか?
砂漠の基礎知識を書かせて頂きましたが、これを前提にもし興味があれば↓もお読みください。