新築物件購入を決めた理由
さて、ということでアスベスト含有戸建ての危険性を述べてきたわけなんですが、
って思いましたよね。
確かに、2006年9月1日にアスベスト含有建材の使用が全面禁止されたので、「それ以降に建てられた中古戸建てならアスベストリスクも無いから買ってもいいかな~(´・ω・`)」とも思ったんです。
しかし住宅の勉強をするにつれ、やはり中古戸建ての「目先の安さ」に惑わされてはいけないと思い始めたんです。
ズバリ言います。
中古戸建ては、性能が恐ろしく低い超低性能住宅がほとんどだった
ということなんです。
高性能住宅とは
では性能が高い家(高性能住宅)とはどのような家なのでしょうか?
ちょこっとだけお勉強した、にわか知識満載の筆者が考える、高性能住宅を名乗る戸建てのスペックがこれです↓
➀許容応力度計算による耐震等級3
②断熱等級は最低でもHEAT 20 G2以上(UA値は0.46以下)
③気密性能を表すC値は最低でも1.0以下
④換気はダクト式の全熱交換式第一種換気
⑤夏の日射遮蔽、冬の日射取得を考慮している
⑥おまけとして太陽光パネルを搭載している
高性能住宅とはつまりいつ大地震が来るかも知れない、一年を通して温度や湿度の差が激しい日本でも数十年間ずっと安心して快適に過ごせる家ってことなんです。
しかし世の中に出回っている中古住宅は、高性能住宅と呼べる超超々最低限の長期優良住宅基準ですらクリアしていないのです。
試しに、SUUMOやhome’sで中古住宅の検索条件の「長期優良住宅」とか「低炭素住宅」とかにチェックを入れて検索してみてください。
筆者の検索範囲の場合(京都市や滋賀県大津市のかなり広範囲でしたが)、結果は0件でした。
「長期優良住宅レベルの住宅すら一件も無いだとおぉぉぉ!!!!」
一瞬自分の目を疑いました。
こういった理由もあって、もう中古住宅に期待をするのはやめたんです(笑)
中古住宅に手を加えて高気密高断熱にすることは不可能ではないんですが、コスパが超悪いんです。
新築時なら100万円でできるような工事でも、中古住宅でやろうとすると400万円かかったりすることもあるようです。
こちらの動画で紹介されていました↓
素人でも「まあそりゃあそうだろうな」と思うような内容かなと思いますので、是非観てみてください。
カーボンニュートラルと高性能住宅
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
この政策の実現に向けて、今後の住宅事情はどんどん「環境に優しい」とか「省エネ」が当たり前になってくるのは当然ですよね?٩( ”ω” )و
事実、省エネ住宅を建てる育児世帯・若者夫婦への支援事業として「こどもみらい住宅支援事業」で100万円を支給したりしています。
最低スペックでもZEH(ゼロエネルギー住宅)以上の省エネ水準の住宅が対象です。
今後、逆に「脱炭素の動きは減衰していくはずだ!」と思う方はさすがにいないでしょう。
こちらの図を見てください↓
(出典:省エネルギー基準)
昭和55年以降、日本ではどんどん住宅の省エネ最低基準を改正していっています。
現在では平成28年基準と呼ばれる最高レベルの断熱性能を有する住宅を建てるのが義務化されようとしています。
日本最強じゃん(;・∀・)
と思った方、残念です。
次にこちらをご覧ください↓
上の図は一般的な断熱性能についてまとめたものですが、先ほどの「H28年基準」(下から4段目)って実はめちゃくちゃレベルが低い断熱性能なんです!!!
2023年10月ついに日本も本気を出し、断熱等級5, 6, 7を創設しました↓
筆者宅は一条工務店建築で断熱等級7を超えていますが(Ua値0.26以下)、マジで快適です。
夏は6畳用のエアコン一台で30坪の家全体が涼しく(夏の間は24時間付けっぱなし)、冬は床暖房で家全体が暖かい(冬の間は室温21〜22℃を維持)のです。
快適過ぎてアウトドア派の筆者も家で過ごす時間が長くなりました(笑)
これからもっと省エネ性能が求められていくそんな時代の流れの中で、せめて長期優良住宅基準、もしくはもうワンランク上のZEH(ゼッチ)基準くらいはクリアしていないと(何年後かは知りませんが)売る時に非常に苦労する(=買い叩かれる)と思うんです。
現在日本中に立っている住宅の中には、現在の建築基準法にはもはや適合しない不適格建築物がたくさんあるように、今は合法でも将来的には新たな省エネ基準に満たなくて不適格建築物になる可能性も多いに有り得ます。
省エネ基準を満たしていないあなたの住宅、2050年にはこうなっているかもしれません↓
は、オマエんち長期優良住宅すら取得してへんの?(笑)
そんな家に価値があるわけねーだろ、このタコ!
建物の価値は0円、むしろ解体費用がかかるからマイナスなんじゃ。
ん、築10年だから少しは価値が残ってるだろって?
だーかーらー、省エネじゃない住宅に価値はねーんだよぉぉぉ!!!
恐ろしいですよね。
売る時のことを考えて住宅を建てる人は少ないですが、30年後にも建物の価値を残そうと思うと2050年のカーボンニュートラルを見据えた省エネ住宅ってのはマストだと思うんです。
って声も聞こえてきそうですが、そもそも断熱や気密がしっかりしていない住宅は生活の質が低いです。
冬は寒い、
雨が降ったら雨漏りする、
震度7クラスの地震が来たらもう住めない、
エアコンがなかなか効かないので光熱費はめちゃ高い、
おまけに換気が悪くて空気は汚い、
見えない壁の中はカビとシロアリだらけ。
こんな家に住みたい人いるんですか?
「おれの家はそんなんじゃないし」
と思ったあなた、要注意です。
そもそも気密や断熱、耐震強度や換気などを入念に考えられた住宅はそうじゃない住宅と比べて寿命がとても長い(60年~100年)のです。
と言うか、60年~100年かかって育つ木材で建てた住宅を30年~40年で解体すること自体が地球環境に迷惑かけすぎって感じなんです(←これがワールドスタンダードの考え方)
という順番で家作りを始めましょう。
高性能住宅=高級住宅ではない?
高性能住宅って決して「高級な家」という意味じゃないんです。
それを解説しているのがこちらの動画↓
例えば、こんな自動車を高性能だと思いますか?↓
・リモコンキーで車を開閉できる
・鍵をささなくてもボタンを押せばエンジンをかけれる
・自動的に変速してくれる(=AT車)
・エンジンをかけたらその日の日時を言ってくれる
・運転席のシートを倒せる
・エアコンがある
そりゃあ、30年前にこんな車があれば高性能自動車と呼ばれたかも知れませんが。
今の時代に、こんな車を高性能だと言う人ってまあいないでしょう?
完全に最低限の基本装備ですよね。
逆にこれらが無い車を探す方が大変です(笑)
実は「高気密高断熱で耐震性能が高く換気がちゃんとされている家」も一昔前では高性能でしたが、現在では当たり前であるべきレベルなんです。
しかしこれが住宅の話になった途端に、
住宅業界「高気密高断熱は高性能住宅だ。そこまで必要ない。しかも高い。」
となるんです。
では次のページで「この日本において、高性能住宅が建てられてこなかった理由」をお話しようと思います!