【砂漠なめたら死にまっせ(; ・`д・´)】砂漠に行く前に知っておくべき知識

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筆者は過去にオーストラリアの沙漠で野宿した経験があるのだが、当時は沙漠について完全無知。

サボテンが勝手に水を出してくれるとか、蜃気楼が飲み水に変わるとか、ディズニー的発想で乗り切ろうとしていた自分を往復ビンタで正したい。

というわけで、次回、より優雅に、よりスマートに、より生き延びる確率を上げるためにも、

  1. 沙漠とはなにか?
  2. 沙漠での危険とは?
  3. 沙漠の種類

……といった哲学的かつ生存的なテーマに迫っていこうと思う。

本記事では、そんな沙漠の基礎知識を、真面目に(?)おさらいしていく所存である。

皆様、日焼け止めと水筒のご用意を。

沙漠とは

スターリン 農業の集団化

皆さんも沙漠については、なんとな〜く漠然とした(←沙漠だけに)知識をお持ちだと思う。
だがここで一応、改めて説明させていただきたい。

筆者としては、「沙漠? ああ、熱くて乾いてて、ラクダがいるとこね!」というテンプレ回答だけで生きていくのは、ちょっと寂しいと思うのである。

なにごともまずは定義から。

「定義を知らずに語るな」とは、かの偉人(誰だ)も言っていた。

ということで、沙漠の世界にいざ、乾いた足音で踏み込んでいこう。
サンダルはやめておけ。熱いぞ。

沙漠を最も簡単に言い表していたのがこちら。

雨量が極端に少ないため植物がほとんど育たず、岩石や砂礫からなる地域

(出典:デジタル大辞泉「砂漠」)

めっちゃ簡潔に言い表してくれている。

オーストラリア 危険 絶景

確かにイメージ通りだ。

この「極端に少ない」とは事典によっても定義が違うが「年間の降雨量が200mm以下/250mm以下の地域」となっている。

また、単に沙漠とは言っても大きく2種類に分けることができるらしい。

砂礫に覆われている砂漠を砂砂漠,基盤岩石が露出している砂漠を岩石砂漠という。

(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「砂漠」)

いくつか辞書を確認したところ、一口に沙漠と言っても

➀砂沙漠(すなさばく)

②礫砂漠(れきさばく)

➂岩石沙漠(がんせきさばく)

に分けられるらしい、おもしろい!

昨今では「砂漠」ではなく「沙漠」という表記が一般的。
前者の「砂漠」は「砂砂漠」のイメージを植え付けてしまうから、ということらしい。

ということで本記事では全て「沙漠」と表記させて頂きたい!

砂沙漠と岩石沙漠には諸説あるようだが、実は世界の沙漠の面積の70~90%は岩石沙漠(砂以上岩石以下の礫沙漠含む)なんだとか。

参考までに「砂沙漠」「礫沙漠」「岩石沙漠」を写真付きでご紹介する。

砂沙漠(すなさばく)

我々が一般的に想像する沙漠とはこんな感じだろう。

しかしこういう沙漠はかなりレアなようだ。

世界の沙漠の1~3割ほどである。

礫沙漠(れきさばく)

礫沙漠の礫(れき)とは、砂以上岩石以下の大きさを表す、早い話「小石」のことだ。

この礫沙漠は一応、大きく「岩石沙漠」の仲間として分類されることも多い。

岩石沙漠(がんせきさばく)

岩石沙漠とは下のような沙漠で、なんかアメリカに多いようなイメージがある。

砂漠 基礎知識

世界の沙漠の面積の70~90%は礫沙漠か岩石沙漠らしい。

沙漠の漠という漢字

オーストラリア 危険 絶景

巷では、好奇心旺盛な子どもたちがよくこう訊くという。

「ねえねえ、沙漠の『漠』って、なんでさんずい偏なの? 水、ないじゃん!」

まったく、小学生とは思えぬ切れ味である。
筆者など、そんな鋭い疑問を抱くこともなく、ただただ漠然と少年時代を過ごしていた。

だが、ある日──高校時代の古典の授業にて、「莫き(なき)」という字に出会った時である。

「あっ…! 水が“無い”って意味か、なるほどなるほど〜。へー、ふーん(知ってた顔)」

…と、誰に言うでもなく自分の中で勝手に納得した思い出がある。
まさか、国語の授業で沙漠の謎が解けるとは夢にも思っていなかった。

青春とは、意外と乾いた場所に転がっているものである。

世界で最も乾燥している場所

沙漠と言えば、乾いた大地、ひび割れた地面、カラカラの喉…極限の乾燥地帯。

これは常識である。
だが、その「常識」は案外あてにならない。なぜなら、世界で最も乾燥している場所は、われわれがよく知る「ザ・沙漠」、つまり砂の海ではないからである。

筆者はこの衝撃の事実を、単行本のゴルゴ13で知った。

そう、世界一乾いているのは南極なのである。

地球上で最も乾燥している場所

あのペンギンたちがぺたぺた歩いている、氷の大陸。

いやいや、南極って水の塊じゃないか、と言いたくなる気持ちはわかる。
だが、年中ほとんど雨も雪も降らないその内陸部の氷原は、定義的には立派な「沙漠」なのである。

沙漠を「砂漠」と書くべきではない理由がまた一つ見つかったわけだ。

つまり結論として──
世界最大の沙漠は南極の氷原、ということになる。
砂は一粒も見当たらないが、字面が強そうなので「沙漠」と呼ばれている。実にややこしい。

とはいえ、今回は「砂のやつ」に話を絞っていく。
氷の話をし出すと冷蔵庫に話しかけるレベルまで脱線しそうだからだ。

ちなみにこれもゴルゴ情報だが──
北極や南極で最も気をつけなければならないのは失明であるとのこと。

「えっ、目? 凍死じゃなくて?」という声が聞こえてくるが、理屈を聞けば納得だ。

氷や雪の白い大地に太陽光が反射しまくり、その猛烈な紫外線を直視し続けると、角膜がじりじり焼かれ、あっという間に視力が低下、最悪の場合失明するのだという。

つまり、ゴーグル無しで南極を歩くのは、真夏の海に裸眼で突撃するようなものである(知らんけど)

筆者「ちょっとゴルゴさん、情報量えぐすぎん?」

このように、「沙漠=砂」と思っていた筆者にとって、南極はまさに乾いた知識の氷山であった。

興味がある方はこちらをどうぞ↓
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乾燥 南極 砂漠

世界の有名な沙漠

世界には実に無数の沙漠が存在している。

どれくらい無数かというと、「この世にある沙漠の名前を全て言えたら1億円」みたいなクイズが成立しそうなレベルである。

実際、地球の表面に点在する沙漠の中には、地理学者ですら一度も口にしたことがなさそうな「謎ネーミング沙漠」が数多く存在する。

「たぶん半分くらい、もはや沙漠じゃなくてただの枯れた空き地なんじゃ…?」

しかし、中には我々の耳にかすかに届く、準ポピュラー沙漠というジャンルも存在する。

たとえばゴビ沙漠。なんか「ゴビ」って名前だけで辛そうだ。

あるいはタクラマカン沙漠。地名のクセがすごいが、「入ったら出られない」というダンジョン系沙漠として有名である。

ということで今回は、そんな沙漠界のスターたちを含めた「筆者が死ぬまでに行きたい沙漠たち」を勝手に紹介する。

そう、まるで世界の沙漠カタログ ~乾いた場所にロマンを求めて~である。

世界最大のサハラ沙漠

皆さんご存知、という言葉がまさにぴったりの世界最大の沙漠である。

こちらの地図を見て頂きたい。

そう、アフリカ大陸が堂々と鎮座している。デカい。とにかくデカい。

そしてそのアフリカ大陸の北部をドカーン!と覆っている、白っぽいというか茶色っぽいというか、どっちつかずな色のエリア——それがあの有名なサハラ沙漠である。

サハラ沙漠という名前は、アラビア語の「サフラ」に由来しており、意味は「不毛の地」「荒野」など。
つまり「なんもない」ことを、最大限かっこよく表現したネーミングというわけである。

筆者の長年の夢、それはサハラ沙漠のど真ん中で、満天の星空を見上げながらテント泊をすること

あんな広大な大地で、風の音しか聞こえない中で焚き火を囲み、肉でも焼きながら星を眺めたい。

……そんな筆者の夢は、いつ叶うのか。

油田が眠るアラビア沙漠

アフリカ大陸から紅海をはさんだ向かいの沙漠はアラビア半島にあるので広義としてアラビア沙漠と呼ばれている。

サウジアラビア周辺の沙漠のことだ。
広い意味でのアラビア沙漠は更に細かい幾つかの沙漠(ルブアルハリ沙漠、ダハナ沙漠、ネフド沙漠など)に分けられる。

特に世界最大級の大きさでアラビア半島南部の1/3を占める沙漠を「ルブアルハリ沙漠」と呼ぶ。

ルブアルハリとはアラビア語で「何もない土地」を意味する。

ちなみに中東諸国と言えば世界最大の産油国の集まりだが、下の地図の黄色の部分に世界の60%以上の石油が眠っていると言われている。

石油が武器になる、それが今の世の中である。

かつて「黒い黄金」と呼ばれた石油は、今や外交カードにも戦争の火種にもなるというから恐ろしい。

Dr.STONEで主人公・石神千空が血眼になって探したのもうなずける。

余談だが、中東地域で起こる戦争の原因は、おおむね以下の2つに大別できる。

  1. 宗教(イスラエル・パレスチナ問題やイスラム過激派)
  2. 石油(中東戦争など)

いやもうこのあたり、歴史の教科書が毎年改訂されてもおかしくないほど複雑である。

興味のある読者諸氏は、こちらの記事も参照されたし↓
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世界最古のナミブ沙漠

ナミブ沙漠と聞いて「あ、世界最古の沙漠やろ!?」と応えれる人は少ないだろう。

なぜなら、ナミブ沙漠と言えばこの絶景で有名だからだ。

地形と太陽光が作り出す自然の絶景である。

ナミブ沙漠はおよそ8,000万年の歴史が息づく世界最古の沙漠と言われている。

ちなみにこちら↓

これは絵ではない、写真だ。

筆者は高校生の時に友人にこの写真を見せられ、「はぁ?完全に絵やんけ」と強烈に思った記憶がある。

ナミブ沙漠の地形と太陽の光が生み出す自然の絶景なのだ。

地獄の門があるカラクム沙漠

カラクム沙漠?(゜.゜)

筆者もよく知らなかったが、こちらの写真を見ればどこにあるのかわかる人が多いのでは?

そう、トルクメニスタンである。

通称「地獄の門」とか「地獄の扉」とか言われるが、お堅く言うとダルヴァザ(Darvaza)と呼ばれるトルクメニスタンの沙漠の中の集落の近くにある。

燃え続けている理由

1971年に地質学者による天然ガス鉱床のボーリング調査中、落盤事故が発生し有毒ガスを含む天然ガスが大量に噴出し、安全のためやむを得ず火を点けてガスの放出を止める事にしたらしいのだ。

それ以来50年近くクレーター内部ではガスが燃え続けており、天然ガスが燃え尽きるまであと何十年、何百年かかるかわからないと言われている。

沙漠の分類

冒頭では「沙漠は"砂沙漠"と"岩石沙漠"の2種類に分けられる」(もしくは礫砂漠を入れた3種類)といった話をしましたが、実はもっと複雑なのである。

ここからはそんな話をしたいと思う。

「沙漠化阻止」と「沙漠において持続可能な産業の定着促進」を目標とする「NPO法人 日本沙漠緑化実践協会」によると(そんな協会あったのか(;・∀・))、沙漠は以下の4つの要素から分類されるようだ。

  1. 構成粒子の大きさ(5種類)
  2. 降雨量(3種類)
  3. 自然的要因(3種類)
  4. 気候(3種類)

各項目だけご紹介致しますが、説明は無いので飛ばしてもらっても構わない。

» 続きを読みたい方はこちらをクリック

➀構成粒子の大きさ

沙漠は構成粒子の大きさで5種類に分かれる。

㋐岩石砂漠:大きな岩がごろごろしている沙漠

㋑礫岩:砂利が全面を覆っている沙漠

㋒砂漠:よく見る砂の沙漠

㋽土漠:より目の細かい土の沙漠

㋔塩漠:土中の塩分が水の蒸発に伴って地表に露出した沙漠

➁降雨量

沙漠は降雨量で3種類に分かれる。

㋐極沙漠:年間降雨量25ミリ以下

㋑沙漠:同200~250ミリ

㋒半沙漠:同500~550ミリ

③自然的要因

沙漠は自然的要因で3種類に分かれる。

㋐気候沙漠:貿易風の影響で形成

㋑海岸沙漠:寒流の影響で大陸西岸に形成

㋒内陸沙漠:高い山脈で遮られた内陸に形成

④気候

沙漠は気候で3種類に分かれる。

㋐熱暑沙漠:サハラ沙漠、アラビア沙漠

㋑温暖沙漠:温暖沙漠(ペルー、チリの沙漠)

㋒寒冷沙漠:高緯度(中国)、高海抜(イラン、アフガニスタンなど)の地に分布。高原沙漠ともいう。

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おわりに

砂漠 基礎知識

いかがだっただろうか。
沙漠の基礎知識について、ざっくりとではあるがご紹介させていただいた。

もしこの記事で少しでも沙漠に興味が湧いたならば、以下のリンクも是非ご覧いただきたい。

筆者が実際にオーストラリアの沙漠でテント泊を敢行した際の、命がけ(?)の日記である。

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