スウェーデンの首都、ストックホルム旅行記【15/16】

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2017年12月20日から2018年1月10日まで、カタール航空のモニター募集に合格し、ヨーロッパを無料で旅する機会を得た。

今回はその旅の中から、スウェーデンの首都ストックホルムでの滞在についてお伝えする。

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このモニター旅は、書類審査でヨーロッパ旅行にかける思いを綴るところから始まった。

そこから、カタール航空の関係者との面接までをクリアし、数々の制約もすべて了承した上で、ヨーロッパ行きが実現した。

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モニター募集 合格

最もつらかったのは何だったか。

正直に言えば、「1日2回、指定されたハッシュタグ付きでSNSに近況報告を投稿する」という義務だった。

しかし、そのおかげで、今回の旅では全ての滞在地に自分の正直な感想が残されている。

それらの記録も参照しながら、本記事を書き進めていくことにする。

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ということで、モニターとしてヨーロッパに入った。

それでは、ストックホルム滞在記をお楽しみいただきたい(∩´∀`)∩

スウェーデンの首都、ストックホルム旅行記

日照時間わずか3時間――

フィンランド ロヴァニエミ

そんな北極圏での修行のような1週間を終え、筆者はついに文明の都・ストックホルムへと帰還した。

いや、本当に太陽って偉大である。

光があるだけで人はこれほどまでに前向きになれるのかと、人類の進化を実感した瞬間であった。

「太陽の光を浴びた時の幸福感、異常。」

たとえるならば、スッピンでうっかりゴミ出しに出てしまったと思っていたら、実はフルメイクだった時の安心感に似ている。
(知らんけど)

青空を見上げるだけで、氷点下に凍てついていた気持ちが一気に溶け出した。

とりあえず宿に荷物をぶち込み、目指すはノーベル博物館である。

ストックホルムの2つの人気ユースホステル

さて、ストックホルムには世界中の旅人を虜にする2つの人気ユースホステルが存在する。

ひとつ目は、なんと使わなくなった飛行機そのものを改装した宿、その名も「Jumbo Hostel」である。


証拠写真

ジャンボジェット機のコックピット部分がスイートルームになっているという狂気の仕様。

夢が詰まりすぎていて、搭乗前から離陸しそうだ。

もちろんお値段もなかなかジャンボであるが、それに見合う“映え”がある。

ただし…問題が一つ。

めちゃくちゃ予約が取れない。

数ヶ月先の予定が決まっている者のみ、予約チャレンジを許可する。


そしてもう一つの人気宿がこちら。

船の中に泊まれる「STF Hostel af Chapman at Skeppsholmen Ship」である。

ジャンボよりも安い。
しかも人気も高い。

人気なのに安い――この矛盾が嬉しいのが旅人というもの。

筆者は今回、迷わずこちらに予約を入れたつもりだった。
(※あくまで“つもり”である。大事なことなので2回言う)

ストックホルム…

船での宿泊には注意

ひとまず空腹を満たすため、街角のレストランに突撃した。

出てきた料理は確かに美味であった。

が、高い。

実に高い。

これなら自宅でカップラーメン6袋食べた方がよほど泣ける美味しさである。

ところで、スウェーデンはなぜかミートボールが名物らしい。

誰が最初にスウェーデンとミートボールを結びつけたのかは知らぬが、IKEAの食堂にも堂々と登場しているあたり、これはもう国家認定のアイデンティティであろう。

さて、「ジャンボホステル」の予約は見事に撃沈したものの、船のホステル「STF Hostel af Chapman」には見事、予約成功!

意気揚々とホステルへと向かう。

歩いていると、ついに見えてきた。

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本日宿泊予定の船である。


画像の右手に見えるのが、その憧れの船。

これぞロマン。
海の上で眠る旅人。

まさに旅情の極みである。

この中に客室がズラリと並んでいる…はずであった。

そしてチェックインは左側の建物で行う仕組みだという。

ふむふむ。

ところが、である。

受付で案内された部屋が、まさかの建物の4階。

筆者「ん……? 4階? 船の中に4階なんてあったか?」

そう、まさかの船外泊である。

確かに予約時には「af Chapman(船)」の名前が出ていた。

が、割り当てられたのは完全なる陸上型建築物。

これはもう、詐欺である。

法廷闘争も辞さないレベルである。

船に泊まれると思って予約したら、普通のビルであった。

これは「遊園地で観覧車乗れるチケット買ったと思っていたら、売店の横のUFOキャッチャー利用券だった」くらいの裏切りである。

なぜこんな事態になったのか、筆者にも皆目見当がつかない。

ただ一つ言えるのは――

予約時の確認は、細部まで入念に行うべし。

ややこし過ぎる通貨の呼び名

北欧諸国を旅する者にとって、最初の難関は言葉でも寒さでもない。

それは――通貨の呼び名である。

  • デンマーク・クローネ
  • エストニア・クローン
  • アイスランド・クローナ
  • ノルウェー・クローネ
  • スウェーデン・クローナ

クローネ、クローナ、クローン、クロネ…
全員で口を揃えて「クロ」しか言っていないのである。

これが混乱を招かずして何を招くというのか。

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筆者など、北欧を一週間旅しただけで「これはどこのクロかゲーム」を常に脳内で開催していた。

スウェーデンで「クローナ」と呼ばれていたかと思えば、隣国ノルウェーでは「クローネ」と言われ、ついでにデンマークでも同じ響き。

「え、これは同じ通貨なのか?」と3回は財布をひっくり返す羽目になる。

しかもややこしいことに、それぞれが独立した全く別の通貨なのである。

つまり、同じ響きでも両替できない。

使えない。信用もできない。

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この現象を一言で言い表すならこうだ。

クローナ地獄。

筆者は願う。
ユーロのように、せめて北欧統一「クローネ」にしてくれと。

あるいはもう少し発音を工夫してくれと。

  1. たとえば、デンマークは「デンクロ」
  2. ノルウェーは「ノルクロ」
  3. スウェーデンは「スウェクロ」など

アイドルのユニット名みたいにしてくれればだいぶ助かる。

通貨詐欺に注意!

ホステルの予約時、クレジットカードで精算し、何気なくレシートを眺めていたらこう記されていた。

TOTAL SEK175,00

筆者「……うん? 1万7,500SEK!?」

一瞬、心臓がスウェーデンの氷点下をも凌ぐ冷たさに包まれた。

これは、日本人なら一度は陥る「カンマとドットの罠」である。

日本の感覚だと「カンマ( , )=桁区切り」、「ドット( . )=小数点」と思ってしまうが、ヨーロッパの多くの国ではこのルールが真逆である。

つまり、SEK 175,00 という表記は、

「SEK 175.00」=175クローナ(=約2,450円)

という意味なのだが、日本人の目からすれば、

「SEK 17,500」=約24万5,000円

という地獄のような計算が脳内で自動変換されてしまう。

筆者「まさか、ホステル一泊で24万円取られた!?」

そう思って、即座に店員に確認した。

結果、無事に“2,450円コース”であることが判明し、寿命が3日ほど縮まっただけで済んだ。

これは笑い話で済んだが、世界には実際にこの表記の違いを悪用した詐欺も存在するというから油断できない。

レシートの「 , 」や「 . 」が命取りになることもある。

数字に違和感を覚えたら、面倒くさがらずに店員に確認すること。

気付いたときには、24万円のベッドで寝返りを打っているかもしれない。(いや、打てない)

ノーベル博物館

向かう先はストックホルムの名所——ノーベル博物館。

徒歩20分弱。

距離的には近いのに、知的には遠く感じる場所である。

ストックホルムは、ノーベル平和賞”以外の”すべてのノーベル賞授賞式が行われる“ノーベル賞の街”。

街の空気がすでに「お利口さん」な感じがする(気のせいかもしれない)。

一歩足を踏み入れた瞬間、筆者の脳内にはこう響いた。

「俺、ちょっと賢くなったんじゃね?」

うむ、気のせいである。

オシャレで落ち着いた内装。

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天井ではノーベル賞受賞者たちの写真がグルグル回転しており、
「お、この人知ってる!」「これは我が国の誇りだな」
……などという心の声が自然と湧いてくる(実際には誰とも話していない)。

筆者がノーベル賞を取れるとすれば、おそらく平和賞。

戦争は嫌いだし、インスタントラーメンを愛してやまない。

ただし受賞するには世界を少しだけ救う必要があるらしい。

おれには無理か。

「ビストロ・ノーベル」は本名ではない

ノーベルの本名は「ビストロ・ノーベル」って言うらしい。

ノーベルの本名が「ビストロ・ノーベル」だと本気で一瞬だけ勘違いしてしまった。

当然そんなわけはなく、これは博物館内のレストランの名前である。

自分の無知に対する受賞を検討してほしい。

デザートは冷たくて高い。でも一応“公式”

このカフェでは、実際の授賞式で出されたデザートが食べられる。
値段は45SEK(当時で約630円)。

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筆者「お、案外安い……え、いやいやいや、十分高いわ!!」

結局、一人で注文したが、数人でシェアするのが精神的にも財布的にも良いと思う。

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恐らくだが、言葉にはできないくらい美味しいはずだ。

(;゚д゚)ゴクリ…

当時の正直な感想がこちらだ。

館内にある”Bistro Nobel”では授賞式で実際に出されたデザートを楽しめます。

いや、確かに美味しかったけど『カフェの店員』の態度(あいつだけか?)は最悪で、デザートは直前まで冷凍されててカチカチやったから「本当に授賞式で皆が賞味したのと同じ味」とは思わないように。

原料とかの質は一緒やと思う、それでも美味しかったから。

授賞式と同じ素材を使っているのは確かだろうが、同じクオリティとは言いがたい。

それでも、「自分は今ノーベル級のスイーツを食べている」――そう思い込めば勝ちである。

より詳細な情報はこちらの公式HPから↓

Nobel Prize Museum

We serve well-prepared daily lunch. Start your weekend with …

椅子の裏にサインあり

このビストロの椅子、なんと裏にノーベル賞受賞者の直筆サインが書かれている。

「自分の座った椅子は誰の?」という謎解きも楽しめる。

最も人気があるのはオバマ大統領のサイン入り椅子だそうだ。

最後に一言

真に科学を成長させるものは「新しいアイディア」である。
それには間違ったアイディアも含まれている。

これぞ、ノーベルの精神。

旅の中で何度も道を間違えた自分も、きっと科学の成長に寄与しているのだろう。

北欧と言えば…”moz”

北欧と言えば何を思い浮かべるだろうか?

ノルディック柄?
オーロラ?
寒さ?

それとも——moz

そう、あのヘラジカ(?)のマークで有名なmozである。

かわいすぎるあのデザイン。

筆者もこっそり愛用中である。

いま調べたところ、岡山には”hotel moz”という高級感抜群のラブホテルがあるらしい。

船内で宿泊予定のはずだったが…

ノーベル賞博物館を後にし、ストックホルム旧市街をのんびりと歩いていたその時である。

ふと視線の先に、停泊中の一隻の船が目に入った。

筆者
「……こ、これはっ!!!」
「おれが泊まるはずだった船じゃないか!!!」

予約ミスという凡ミス(?)によって取り逃がした、伝説のホステル船。

白く美しい船体、静かに水面にたゆたうその姿——
悔しさがブワッとこみ上げてくる。

「逃がした魚は大きい」とはよく言ったものだが、これはもはや捕り逃がしたクジラである。

泣く泣く建物4階の謎の部屋で寝泊まりした筆者としては、
もはやこの船を前にすると、見てはならぬものを見たかのような気持ちにすらなる。

あの晩、もしこの船に泊まれていたら、きっと人生が少し変わっていたに違いない——

……なんて考えるあたり、だいぶ旅の疲れが出てきたのかもしれない。

自炊は旅人の武器である

旅に出て何が変わるか?

――料理の腕である。

筆者、いまやフライパンの魔術師。

ヨーロッパで外食ばかりしていると秒で破産するので、自炊は必須スキルである。

この日のメニューはジェノベーゼパスタ。

調子に乗ってのろけさせてもらうが――

筆者の奥様(イタリア人)が作る本場パスタ、あれはもう芸術である。

※たまに失敗することもあるのがかわいい。

筆者が作るイタリア料理など足元にも及ばぬが、それでも旅先で食べる自炊パスタの美味さは格別だ。

いざ、最終目的地・コペンハーゲンへ

翌朝、まだ太陽も寝ぼけている時間にスウェーデンを出発し、デンマークの首都コペンハーゲンへ向かう。

コペンハーゲンまでの所要時間、約5時間半。

長いようで短いようでやっぱり長い。

途中、何度もウトウトしながらこう思う。


画像左手に見えるのがおれの船。

「くっそー、今度こそ船で寝てやる…!!」

というわけで、コペンハーゲンが今回の旅の最終目的地となる。

北欧最後の都市、そして次なる旅への通過点。

旅のラストを飾るにふさわしい、美しい街との出会いを願って、電車はは静かに南へ走り出す——。

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