2017年12月20日から2018年1月10日まで、カタール航空のモニター募集に合格し、ヨーロッパを無料で旅する機会を得た。
今回はその旅の中から、スウェーデンの首都ストックホルムでの滞在についてお伝えする。
» モニターのお話(クリックで開く)
このモニター旅は、書類審査でヨーロッパ旅行にかける思いを綴るところから始まった。
そこから、カタール航空の関係者との面接までをクリアし、数々の制約もすべて了承した上で、ヨーロッパ行きが実現した。
さて今回のテーマはズバリこれだ!!!!!どうやったら海外にタダで行ける『モニター募集』を勝ち抜けるのか自慢だが、筆者は人生初のモニター募集に見事当選しタダでヨーロッパに行ってきたのである。今回はそんなモニター募集に挑[…]
最もつらかったのは何だったか。
正直に言えば、「1日2回、指定されたハッシュタグ付きでSNSに近況報告を投稿する」という義務だった。
しかし、そのおかげで、今回の旅では全ての滞在地に自分の正直な感想が残されている。
それらの記録も参照しながら、本記事を書き進めていくことにする。
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ということで、モニターとしてヨーロッパに入った。
それでは、ストックホルム滞在記をお楽しみいただきたい(∩´∀`)∩
スウェーデン滞在記
2017年12月23日
ノルウェーのオスロから、スウェーデンに入国した。
前日にテント泊をしたのは、ノルウェーの田舎町・HALDEN(ハルデン)である。
HALDENという町の雑木林にてテント泊(見つからないことが大事)
そこからスウェーデンの首都ストックホルムまでは、電車で約7時間。
なかなかの長距離移動である。

自由な移動が叶うこのパス、控えめに言って神である。
乗換駅では早速、ヨーロッパらしいオシャレな時計台が旅人を出迎えてくれる。
駅構内もまた、クリスマスムード一色。
というのも本日は──2017年12月23日、クリスマスイブイブなのである。
駅から一歩足を踏み出せば、ロマネスクとゴシックが融合したような見事な建築が目に飛び込んでくる。
オシャレな駅の正面玄関
「うお、かっこええ……」とつぶやくと同時に、過去の自分を殴りたくなる。
※ここでひとこと断っておく。
これは真面目な話である。
なぜなら、筆者自身が「勉強しておけばよかったランキング第1位」をこの分野に捧げているからだ。
西洋建築に興味を持てば、ヨーロッパの街歩きは文字通り“倍楽しく”なる。
教会ひとつ取っても、「あ、これはバシリカ式か!」などといちいちテンションが上がる。
つまり、建築知識が旅の感動を何倍にもしてくれるのだ。
もし興味があれば、こちらの記事で予習されたし。
ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はゴシック建築について説明します。[show_more more=恒例の挨拶(クリックで開きます) less=折りたたむ color=#0066cc list=»[…]
建築は語る。旅人はそれを知ってこそ、真に街を味わうことができる。
──スウェーデン滞在、まだ始まったばかりである。
北欧の通貨がややこし過ぎる
乗換駅で小腹が空いたので何か買おうと思ったのだが、そこでふと気づいた。
「……スウェーデンの通貨って、何やったっけ?」
実は、北欧の通貨はどれも名前が似ていてややこしいのである。
その一覧がこちらだ:
- スウェーデン=スウェーデン・クローナ
- ノルウェー=ノルウェー・クローネ
- デンマーク=デンマーク・クローネ
- アイスランド=アイスランド・クローナ
- エストニア=エストニア・クローン
見事に「クロ」が並んでいる。
「クローナ」「クローネ」「クローン」……
微妙な母音と語尾の違いで、何度見ても混乱する。
旅行者泣かせの通貨名トップランカーである。
ちなみに、ユーロ圏でないこれらの国々でもATMは意外と普及している。
日本ほどではないにせよ、主要駅や町中で普通に見つかるのでご安心を。
というわけで、筆者も現地通貨を引き出すべくATMへ直行。
流れはだいたいわかっている。問題ない。
操作言語を選べる画面が出てきたので──
筆者「Suomi(フィンランド語)でいったろかぃ。」
もちろん、フィンランド語は「Kiitos(ありがとう)」と「Sauna(サウナ)」以外は全く理解できない。
しかしATMに対して、「おっ、フィンランド人来たで!」と思わせながら、お金を引き出すことには成功した。
自分でも何をしているのか若干わからなくなりつつも、通貨も手に入り、ミッション完了である。
※ちなみに、ATMはこんな感じ
通貨の混乱に惑わされつつも、旅は続く。
スウェーデンのクリスマスマーケット
ヨーロッパ全体がクリスマスムードに包まれるこの時期。
当然ながらここスウェーデンも例外ではない。
なにしろ本日は──12月23日、クリスマス・イヴイヴである。
町中も駅構内も、キラキラとしたデコレーションとイルミネーションに満ちあふれている。
歩いているだけでワクワクする、そんな魔法のような雰囲気だ。
ケーキもパンも、とにかく美味しそう。
ショーケース越しに見るスイーツたちが、まるで「買ってくれ」と訴えてくるかのようだ。
まさに“北欧のクリスマス”といった趣きである。
筆者は甘いものに目がない。
この瞬間ばかりは旅の目的を忘れかける。
(;゚д゚)ゴクリ… ← 心の声。
↑駅構内の様子
クリスマスマーケットと言えば、ドイツの「シュトレン」が有名である。
シュトレン(出典:マカロニ)
だが筆者はここスウェーデンにいる。
ストックホルムでシュトレンというのも、なんとなく違和感がある。
ということで──
普通のレーズンパンを買うという選択をした。
見た目は地味かもしれないが、ほのかな甘みと素朴な風味。
これぞ北欧らしい一品である。
腹も心も少し満たされたところで、改めて首都ストックホルムへと向かう。
いよいよ、スウェーデンの首都の本領が見えてくる。
クリスマスマーケットは駅構内から始まる
ついにスウェーデンの首都、ストックホルムに到着した。
電車を降りて少し歩くだけで、もう目の前に広がるのはクリスマスマーケット。
そう、駅構内からすでにマーケットは始まっているのだ。
イルミネーションに彩られた屋台たちが旅人を歓迎してくれる。
お土産にも困らない。
ハンドメイドの雑貨、北欧デザインのキャンドルホルダー、可愛いオーナメント……
とにかくオシャレである。
このセンス、間違いなく日本人女子のハートをわしづかみにするだろう。
(というか筆者もわしづかみにされた)
さて、マーケットの誘惑をいったん振り切って、宿へと向かう。
今回予約したのは、BIRKA HOSTEL(ビルカホステル)という宿である。
ストックホルム中央駅から徒歩15分。
アクセスは悪くない。
ストックホルム市内の様子
荷物を預けてしまえば、いよいよ本格的なストックホルム散策の始まりである。
──クリスマス・イヴイヴのストックホルム。
北欧らしい洗練された街並みに、旅人のテンションも自然と上がる。
BIRKA HOSTEL
無事、今夜の宿「BIRKA HOSTEL(ビルカホステル)」に到着した。
外観はやや控えめだが、中に入ってみると予想以上に清潔感がある。
そしてもちろん、安い。
──というのも、筆者が選ぶ宿に「高級」という選択肢は基本的に存在しない。
安さこそ正義、これがバックパッカーの信条である。
チェックインを済ませ、まず取り掛かるのは昨晩の“遺産”処理。
そう、テントである。
通路の椅子を使って勝手にテントを乾かす筆者
昨夜のテント泊で湿気を吸い込みまくった我が家(=テント)を、まずはしっかりと乾燥させる必要がある。
ホステルの廊下に置かれた椅子を勝手にお借りして──
ただいま、絶賛テント乾燥中である。
部屋にはすでに数人の宿泊者がいたが、筆者は旅の醍醐味「友達をつくる」チャレンジに見事失敗。
そのまま静かに布団に潜り込み、眠りについた。
まあそんな日もある。
旅は一人でも楽しい。
BIRKAホステルのHP
ストックホルム、Birka Hotel – 予約はすべて最安値保証!Booking.com:クチコミ4249件、 写真4…
明日はまた新たな出会いと冒険が待っている──かもしれない。
パンとヨーグルトは安定
おはようございます。
本日は2017年12月24日──つまりクリスマス・イブである。
とはいえ、筆者の朝食は特別なごちそうではない。
安定の「パンとヨーグルト」である。
物価の高い北欧では、安く旅するコツは大きく分けて2つに集約される。
- 何も食べない
- パンとヨーグルトで済ます
この二択である。
筆者はその中でも「アドリブ枠」を採用し、今回はパンにチョコクリームを追加してみた。
……それだけでちょっとテンションが上がるあたり、旅中の食生活の質がうかがえる。
ちなみに、通常ヨーロッパのホステルは朝食ブッフェ付きであることが多いのだが、今回泊まったBIRKA HOSTELには朝食がついていなかった。
Σ(゚Д゚) ← 朝チェックイン時の筆者の顔。
さて、気を取り直して朝早く宿を出発。
次なる目的地は──ドイツ・ハンブルク。
ストックホルムから約13時間の移動である。
長旅だが、車窓からの風景も旅の醍醐味のひとつ。
それにしても、カタール、ノルウェー、スウェーデンと駆け抜けたこの3日間、
まだ何もしていない。
(`・ω・´) ← でもなぜか充実感はある。
本当はストックホルムでもいろいろとやりたいことがあったのだが……それはまたいつか。
北欧の冬は1日中暗い
ストックホルムの冬は、とにかく暗い。
理由は簡単で、緯度がとても高いからである。
例えば、日本であればこのレベルの暗さは朝5時か6時あたりだろう。
しかし、ここストックホルムでは──
すでに朝8時を回っている。
信じがたいが事実である。
だが、そんな薄暗い中にもクリスマスムードの灯りが柔らかく輝いており、これはこれで風情がある。
まさに「暗さ」と「温もり」のコントラスト。北欧の冬らしい風景だ。
通りには巨大な人形のオブジェが立っていた。
「コペンハーゲンのギネス博物館で見た“世界一身長が高い人”か!?」と思いきや、まったく関係なかった。
さて、当時の筆者はまだ建築に全く興味が無かった。
そのため、どれだけ素晴らしい建物があろうと、見向きもせず駅まで一直線。
──これ、完全に人生損している。
なぜなら、ヨーロッパの街並みは西洋建築で埋め尽くされており、
その違いや歴史がわかるだけで、旅の面白さが格段にアップするからだ。
筆者も今では「建築オタクか?」というほど知識を詰め込み、当時の自分に説教したい気持ちである。
ヨーロッパ約30ヵ国をバックパッカーとして旅をしていたある男がいた。帰国後、その男は徐々にある大きな後悔に頭を抱えるようになった。なんで西洋建築を勉強して行かなかったんだと。西洋建築を勉強した[…]
さて、当時なんの意図もなく撮影したこれらの写真。
いま見ると──
上の写真を見る限りではバロック建築時代に建てられたものだろう、たぶん。
「石畳と建物の関係がたまらん!」
「この半円柱はおそらく装飾的ピラスター!」
「中央のエンタブラチュアの突出具合、完璧!」
と、ウハウハ状態である。
建築知識の有無で、写真の味わいも大きく変わる。
【ストックホルム宮殿】孤高の警備隊、ひたすら行進中。
電車の時間までまだあったので、ストックホルム駅周辺を散策してみた。
スウェーデン・ストックホルムの中心部、荘厳な王宮――ストックホルム宮殿。
その入り口に、一人の男がいた。
…警備隊、ひとり。
筆者(心の声)
「え?一人?え、詰所とかもなし?大丈夫?孤独すぎへん?」
しかもその彼、サボりゼロで足をピシィィィィ!!!と振り上げながら、まるで秒針のような正確さで行進している。
筆者(興味津々)
「え…なんなん?誰か見てる?実は隠しカメラ回ってる??」
周囲は観光客ゼロ
しかしこのクオリティ。
もはや自分の存在がアトラクションだと理解している風格。
筆者(小声)
「カッコええ……!なんかシュールやけど!」
ドイツ、ハンブルクへ
ストックホルム中央駅に到着。
構内を歩いていると、ふと撮った写真に駅の時計が写っていた。
この暗さで朝の9時である。
やはり北欧の冬は強烈だ。
旅先ではついつい時間の感覚が曖昧になりがちだが、こうして時計を撮っておくと、後で見返す際に何かと役に立つ。
さて、これからドイツのハンブルクへと向かう。
どんな風景が広がっているのか、どんな出会いがあるのか──
旅の醍醐味はやはり「未知」と「偶然」にある。
ちなみに、このあと筆者には素敵な出会いが待っている(←実話
次回、「ドイツのクリスマスマーケットはレベルが違う」──お楽しみに。
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