【ヨーロッパ旅行記】静かなる大都市、ザルツブルグ【21/24】

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本記事は、2017年に行ったヨーロッパ一人旅の記録を振り返るものであり、オーストリアの古都ザルツブルクでの滞在を中心に、当時の思い出をゆるりと綴っていく。

オーストリア ザルツブルグ
ザルツブルクは日本でいえば京都、つまり古都

旅の期間は2017年初頭、およそ1か月。

東欧・バルト三国・アイスランドなど、これまで訪れたことのなかった国々を巡る冒険だった。

今回の旅には、

  1. 旅仲間(以下「エリ」)との同行
  2. 初めてのレンタカー運転
  3. 人生初のテント泊

という3つの大きな挑戦があり、まさに忘れがたい出来事の連続であった。

本記事では、その旅の始まりから順に振り返っていきたい。

静かな大都市ザルツブルグ

ザルツブルグを紹介するなら、この一言に尽きる。

静かな大都市

オーストリア第2の都市でありながら、非常に落ち着いた雰囲気を持ち、過ごしやすい町である。

オーストリア ザルツブルグ

例えるならば、日本の京都のような存在である。

10日ぶりのシャワー

ザルツブルグ駅のすぐ近くにあるホステルに到着した。

ここでようやくシャワーを浴びることができたのだが、それは実に10日ぶりのことであった。

冬であったため、あまり臭いは気にならなかった(と信じたい)が、10日ぶりのシャワーはまさに極上のひとときだった。

そういえば、最後にシャワーを浴びたのはパリであったように思う。

いま思うと、旅友のエリにも「RYOさん、くっさ」と思われていた可能性がある。

最悪だ…。

しかしこの頃にはすでに「ホームレスとしても生きていけるのでは」と感じていた。

(冬限定のホームレスとして)

もっとも、たかが10日間程度ではあるのだが。

a&o Hostels

a&o Hostel Salzburg: Welcome to our cheap ✓ modern ✓ central…

ヨーロッパのケバブは安いしデカいし美味い

10日ぶりにシャワーを浴びた。

清められた身体が求めたのは、そう——ケバブである。

今回のザルツブルグ滞在はたったの1日。

明日にはウィーン行きの列車に揺られている。

つまり、ケバブに使える時間は限られていた。
これはもう、ケバブ一本勝負の夜である。

さて、ここでクイズ。
「ケバブはどこの料理でしょう?」

——はい、残念ッ!
トルコではない。

ケバブの発祥は、ドイツ・ベルリン

トルコ移民がベルリンで生み出した屋台グルメの革命児、それが現代版ケバブである。

「ヨーロッパでケバブて…バカかコイツ」

そう思った方にほど、「ヨーロッパでケバブを食ってみろ」と言いたい。

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ケバブ トルコ ベルリン

ヨーロッパを旅するバックパッカーなら誰もが知っている、三種の神器の一つがケバブである。

安い、うまい、量が多い。

これに勝てるファストフードは他にない。

ざっくり価格比較をしてみよう:

  • パリ:9〜10ユーロ(でも美味い)
  • ザルツブルグ:3〜4ユーロ(コスパ最強)
  • 東欧:2ユーロ(ほぼ無料か?)
これはただの物価の問題である、味やサイズはほとんど変わらない。

もう、口の中がケバブ待ちのホームレス状態だった。

筆者「こんなにケバブが愛おしい日が来るなんて、思ってなかった。」

ちなみにザルツブルグのケバブ屋は夜でもけっこう元気。

肉の塊が縦にグルグル回ってるだけで、人生に希望が灯るのはなぜだろうか。

ヨーロッパでの外食はオニ

旅人にとって外食とは、祝福ではない。
試練である。

まあ1日だけなのでボーっと町中を歩き回ってお腹を減らすことにした。

ヨーロッパのレストランで「ちょっと一食いっとくか〜」と軽い気持ちでドアを開けようものなら、その瞬間、財布が震える。

最低15ユーロ(約2,400円)。
ドリンクとサイドを追加すれば、軽く25ユーロオーバー(4,000円突破)。

しかもその15ユーロ、何に消えたかよく分からない。

ちょっとオシャレな木の皿に乗った謎のグリル。
量は少なめ、味は普通、見た目だけはエリート。

しかし、結局レストランに入っている自分がいる。

そう、我慢と見栄の狭間で揺れるのが、ヨーロッパの外食である。

GABLERBRAU

ザルツブルグの老舗レストラン「GABLERBRÄU」。

名前からして高級感バチバチであるが、実際メニューも容赦ない。

サラダ5ユーロ(約650円)(2017年当時)が「最低価格」ライン。

筆者「やよい軒ならごはん・味噌汁・漬物・メイン付きの定食いける値段やぞ!!」

そんな庶民の叫びは、アルプスの風にかき消されていく。

店員さんは上品、店内もクラシックで居心地は良好。

ただしメニューを開いた瞬間、胃袋より先に財布が破ける。

頼んだのは、ドイツ名物「シュニッツェル」。

薄く叩いて揚げたカツレツのような料理だが、そこに添えられたソースは…

まさかのベリー系。

「カツに甘酸っぱいソースぶっかけてくるとは……ヨーロッパの舌、どうなってんの?」

デザートにアップルパイまで頼んだ結果、会計はたぶん19ユーロ(約2,500円)。

言っておくが、これは2017年当時の為替レート&現地価格であり、2025年6月現在はこれより遥かに値上がりしている。

冷たい夜風に包まれながらの帰り道。

お腹はそこそこ満たされたが、財布は無事じゃ済まなかった。

Gablerbräu

Der Ort Das GablerBräu ist eines der ältesten Wirtshäuser Sa…

筆者「こうしてまた一歩、旅人は節約の誓いを強くするのであった。」

国によって違う洗濯機の使い方

ホステルに戻って、洗濯タイム。

「今夜洗って干して、明日には出発!」

そんな完璧な旅人スケジュールが、たった一文で崩壊した。

Water outlet fault(排水異常)

え、え、ちょっと待って、何度やっても止まるやん!?

店員さん呼んでも原因わからず。

機械、完全沈黙。

「今、入れた6ユーロ(2ユーロ×3回分)は返ってこない……」

「返金ボタン……どこだ……押しても……光るだけ……」

スタッフにクレームしても、宿から30分ほど歩いた場所にあるコインランドリーを提案されただけ。

お金は返ってこなかった。

これはある種の詐欺行為だと言えるだろう。

というわけで翌朝、臭い服一式持って1.7kmのウォーキング開始。

ザルツブルグの朝。
空気は冷たい。
服は臭い。
テンションは地面スレスレ。

「なんで洗濯物抱えて宿から30分も歩かなアカンねん!!!」

しかも、前日洗う前提で服を使い切っていたため、着ている服もすでにギリギリのライン。

到着した。

到着したランドリーでは慎重に操作。
もう失敗はできない。

でもやっぱり戸惑う。

「どのボタン!?これ?あれ?変な音が鳴っている!!うわ、水出てきたぁぁぁぁぁ(洗濯物まだ入れてないのに)」

とにもかくにも、洗濯は開始された。

洗濯&乾燥の30分間、室内でじっと待っていたら、地元のおばさんにジロジロ見られる。

筆者のことを下着ドロボーだと思ったのだろうか。

だが、一言言わせて欲しい。

ブロンド美女ならともかく、お前のなんか誰が盗るねん!!!!

洗濯終了後、隣のケバブ屋で即昼食。

そして、やっぱりケバブは神だった。

「安い・うまい・量が多い」の三拍子!!

洗濯地獄のあとに食べるケバブは、もはや神の救済。

旅って、こういう無駄が最高に思い出になるよね。

音楽の都ウィーンへ

ザルツブルクの静けさと白鳥たちに別れを告げ、
次なる目的地は…

音楽の都ウィーン

移動時間は電車で約3時間。

特に見どころもない車窓をボーッと眺めながら、心の中はコンサートへの期待でいっぱい。

「ウィーンではクラシックコンサートが待っている!」
「前回ミラベル宮殿でのコンサートはフォーマル過ぎて完全に浮いてたけど…今回はリベンジだ!」

果たして今回のドレスコードは!?

ビビらずにちゃんと楽しめるのか!?

次回をお楽しみに。

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