【ヨーロッパ旅行記】ハイジの町マイエンフェルト【17/24】

この記事を読むのにかかる時間: 4

本記事は、2017年に行ったヨーロッパ一人旅の記録を振り返るものであり、スイスの町マイエンフェルトでの滞在を中心に、当時の思い出をゆるりと綴っていく。

マイエンフェルト ハイジの町
ハイジの夏の敷地に無断侵入しテント泊♡

旅の期間は2017年初頭、およそ1か月。

東欧・バルト三国・アイスランドなど、これまで訪れたことのなかった国々を巡る冒険だった。

今回の旅には、

  1. 旅仲間(以下「エリ」)との同行
  2. 初めてのレンタカー運転
  3. 人生初のテント泊

という3つの大きな挑戦があり、まさに忘れがたい出来事の連続であった。

本記事では、その旅の始まりから順に振り返っていきたい。

カートレイン

ツェルマットからマイエンフェルトへは、およそ4時間のドライブである。

もうね、景色が美しすぎる。

このドライブ、ただの移動手段ではない。

絶景ロードショーである。

マイエンフェルト ハイジの町
Taschの駐車場を出てすぐの写真

目の前にそびえ立つアルプスの山々。

車内ではEnyaの歌声が流れ、心が洗われる。

ところがここで問題が発生。

マイエンフェルトへ向かうには、「フルカ峠」という山道を越えねばならないのだが…

道に差しかかると、見えてきたのは無慈悲な『KEEP OUT(通行止め)』の看板。

山道へ入ろうとするとKEEP OUT(通行止め)の文字が。

「はぁ!!!?」
「冬は山道が凍ってて通行禁止なんか!」
「え、でもこの道通らな他に道ないよ?」

少しパニック。

軽くパニックである。

慌てて近くの施設に駆け込み、地元の人に「この山、どうやって越えるんですか!?」と聞き込み調査を始める。

すると、同行していた友人エリが突如、指を差して叫ぶ。

「RYOさん!あれ見てください!!」
「車があそこに集まってますよ!!!」

見ると、何台もの車がある場所に並んでいる――

マイエンフェルト ハイジの町

そう、それこそが噂のカートレインであった!

この峠を越えるには、車ごと列車に乗るという荒業が必要なのだ。

通行料は確か40CHFくらい(=5,000円)だった記憶。

公式HPによると、2025年6月現在のカートレインの乗車賃は33CHF、つまり約6,000円である。

マイエンフェルト ハイジの町

しかも出発は午後4時。
遅い。

「今日中にマイエンフェルト着いて、準備して、登山して、テント張って、寝れるんか……?」

不安がよぎる。

マイエンフェルト ハイジの町

おっ、赤い列車が来たぞ!これか!?

……と思ったら、違う列車だった。
確かに、あんな立派な列車に車が入るわけがない(笑)

ようやく正しい列車が到着。
エンジンを止め、あとは列車にすべてを任せる。

(実はレンタカーにキズを付けないか心配だった)

「うわ、運転しなくていいって、こんなにラクなのか……」

走行時間はおそらく15分ほど。

たぶん15分くらい乗りました。

マイエンフェルト ハイジの町

調べたところ、6/1~9/30の夏季期間は27CHF(≓3,300円くらい)で、10/1~5/31の冬期期間は33CHF(≓4,000円くらい)とのことです。
現在は33CHFで統一されている模様。

欧米人は前進駐車

カートレインを降り、スイスの高速道路を爆走中、突如Googleマップが沈黙した。

地図アプリがフリーズするというのは、現代人にとっては方位磁石を失った探検家と同じである。

仕方なく、パーキングエリアのような場所に立ち寄り、紙の地図を買うことにした。

令和の世に紙地図を買うという行為には、もはやロマンすら感じる。

さて、ここで問題だ。

この中で私のレンタカーはどれでしょう?

マイエンフェルト ハイジの町

正解は――手前から2台目の黒い車。

なぜなら、唯一バック駐車してあるのがそれだけだからである。

欧米の人々は、なぜそこまで前進駐車を愛しているのか。

まるで「バック駐車禁止条例」でも存在しているかのように、全員が前からズドンと突っ込む。

これはアメリカでも同じだった。

どこの州に行っても、駐車場に車を停める者たちは例外なく「前からズドン」である。

イタリア人の彼女も、もれなく前進派である。

「バック駐車?それって運転免許の最終奥義では?」

そう言わんばかりに、サイドミラーと格闘しながら何度も切り返す様子は、なかなかのエンタメであった。

欧米でバック駐車する利点はもう一つある。

駐車場に戻った際、似たような車がズラリと並ぶ中で――

「あ、俺の車あれやわ」

一発で判別できるのだ。

特に全車種が「黒」などという日には、ほぼ「唯一無二の存在」となる。

ハイジヒュッテへ

約4時間の運転を経て、ようやくマイエンフェルトに到着した。

この地は「ハイジの村」として知られ、観光客にも人気のスポットである。

本日は「ホテルレストラン ハイジホフ」に立ち寄らせていただいた。

…と、それらしい顔で書いておきながら、実際は勝手に駐車場に車を停めた。

褒められた行為ではない。
心から反省している(ような気持ちはある)。

到着時点で、すでにあたりは闇に包まれていた。

マイエンフェルト ハイジの町

これから登山など、正直なところ気が重い。

しかし、本日の目的地は「ハイジヒュッテ」である。

誤解してはならない。
観光案内でよく目にする「Heidi Dorf(ハイジ村)」とは別物である。

ハイジ村(Heidi Dorf)は町の中にあり、数分歩けば着く。

だが、ハイジヒュッテ(Heidi Hütte)は山の中腹にあり、片道約2時間の登山が必要となる。

我々は荷物を整え、登山を開始した。

一緒に旅している旅友エリはすでに疲労の色を隠しきれていなかったが、それも無理はない。

幸い、マイエンフェルト周辺は予想よりも雪が少なかった。

そのおかげで、ツェルマットでの登山に比べるといくぶん楽な行程であった。

無事にヒュッテ付近まで登りきり、テントを設営。

あたりは完全な闇に包まれていたが、ささやかな晩ご飯を済ませ、静かに眠りについた。

ハイジヒュッテ

おはようございます。
この日も、朝からカロリー界のオールスターを召喚。

メニューはというと、

  1. パスタ
  2. ラーメン
  3. パン
  4. チョコレートオンザパン

マイエンフェルト ハイジの町

マイエンフェルト ハイジの町

マイエンフェルト ハイジの町

もうね、炭水化物でしか構成されていない。

しかもチョコを乗せて。
これでデブにならんかったらおかしい(笑)

パスタ+ラーメン+パン+チョコ=デブの4乗

ここにバターが加われば、完全に世界が終わるところだった。


ちなみにこの暴走朝食、以前デンマーク・コペンハーゲンで食べたチュロスにも通じるものがある。

デンマーク コペンハーゲン 人魚姫

  1. 揚げたてチュロス
  2. 大量の砂糖
  3. もりもりアイス
  4. とどめのチョコソース

あれもまた、デブの4乗 in 北欧だった。


ふと顔を上げれば、横には自分のテントが。

マイエンフェルト ハイジの町

そう、あの青いテントが筆者の寝床である。

パッと見「おいおい、勝手に私有地にテント張ってるのか!?」と思われそうだが…たぶん、ここは観光地。

きっと、私有地ではない(たぶん)

背後に立つ木造の小屋が、かの有名な「ハイジの夏の小屋」である。

アルプスの少女、あんな穏やかな顔してたけど、ここまで来るのわりとしんどいからね。

マイエンフェルト ハイジの町

それにしても――

考えれば考えるほど、エリには申し訳ないことをした。

ドライブに付き合わせ、登山に巻き込み、テントに詰め込み。
しかも2日連続の雪山。

筆者「エリよ…本当にありがとう。君はもう親友というより戦友や」

マイエンフェルト ハイジの町

名残惜しいが、そろそろ出発の時だ。

さらば、ハイジヒュッテ。

マイエンフェルト ハイジの町

ハイジの町の隠れキャラ

マイエンフェルト ハイジの町

マイエンフェルトからハイジヒュッテへ向かう道中、
登山道に突如現れる「隠れキャラ」たちをご存じだろうか?

まずこちら!

マイエンフェルト ハイジの町

ロッテンマイヤー女史 発見!

険しい顔で立っておられる。
絶対このあと「アーデルハイド、何をしているのです!」って怒ってくるやつ。

マイエンフェルト ハイジの町

続いて、 左から「アルムおんじ」「ハイジ」「ペーター」の三人組。

…と思ってよく見ると――

ハイジ、めっちゃおばあちゃん化してる件。

マイエンフェルト ハイジの町

なんならアルムおんじより人生の経験積んでそうな雰囲気出てる。
兄貴分であるペーターの方が若く見えるのは気のせいだろうか。

ハイジヒュッテ下山

マイエンフェルト ハイジの町

下山途中──
え、ちょっと待って!?
昨日ふつうに通れた道がまさかの通行止めΣ(゚Д゚)

しかし我々の姿を見た作業員さん、なんとその場で道を作ってくれた(笑)

ぶっちゃけ「いや、乗り越えるからどいて」って気持ちだったのだが。

10分ほどで「OK通れるようにしたから行っていいよ〜」とのこと。
ありがたく通過!

マイエンフェルト ハイジの町
途中にあった湧き水

これ、飲める。
ふつうに。

さすがアルプスの湧水クオリティ。

マイエンフェルト ハイジの町

マイエンフェルト ハイジの町

そして、町が見え始めたあたりで
「ここ去年は牛とか山羊いたよなぁ」なんて懐かしみながらゴールへ。

マイエンフェルト ハイジの町


前年、2016年4月の写真がこちら。

ハイジ マイエンフェルト

ハイジ マイエンフェルト


ゴール地点、到達!

マイエンフェルト ハイジの町

でもここで終わりじゃない。

リヒテンシュタイン公国へ

このあと我々、
リヒテンシュタイン公国の首都ファドゥーツまで移動しなければならない。

もう駆け足で降りた理由、それ。

駐車場でサンダルに履き替えてる時、ふと気づく。

筆者「あ…トイレ…行きたい」

2人とも、丸一日トイレに行ってないという謎の耐久レースを終えて
再び「ホテルレストラン ハイジホフ」さんにお邪魔。

筆者「Can I use a toilet?」

快く「どうぞ〜!」と言っていただき、スッキリ完了。

駐車場も勝手に使い、飲食もせずにトイレだけ借りるなんて。

ではいよいよ、リヒテンシュタイン公国へ!

そして首都ファドゥーツで――

池上 彰氏に遭遇(笑)

なんと、同国を取材中とのこと。
世界は狭いのか広いのか、もうわからん。

関連記事

本記事は、2017年に行ったヨーロッパ一人旅の記録を振り返るものであり、リヒテンシュタイン公国の首都ファドゥーツでの滞在を中心に、当時の思い出をゆるりと綴っていく。ここが首都か?と思うほど人っ子一人いない旅の期間は201[…]

リヒテンシュタイン ファドゥーツ
マイエンフェルト ハイジの町
最新情報をチェックしよう!