⑨ルネサンス建築
時は14世紀末。
突如としてヨーロッパ全体に「あれ?俺ら、最近ちょっとダサくね?」というムードが流れ出す。
市民「ロマネスク?重い。ゴシック?尖ってるだけ。」
「…やっぱローマ建築やろ、ローマ最強説、復活!!」
つまりルネサンス建築とは古代ローマ建築を、もう一回全力でパクる…という、堂々たるパクリ系建築である(※褒めてる)
このようにして古典系建築が「ルネサンス建築」として復活するのである。
ルネサンス建築の傑作は、イタリアのローマにある「テンピエット」である↓
(めちゃくちゃローマっぽいが、実は当時の最先端リメイクモデルである)
ルネサンス期の人々は、ローマ建築こそお手本にするべき様式だと考え、なるべくローマ建築の技術を真似て建物を作り始めたのだ。
しかし所々にローマ建築にない新しい技術を導入してあり、ローマ建築とは異なる建物になっていく。
(テンション上がりすぎて、ちょいちょい暴走してる部分もある。)
ルネサンス建築時代から古典系建築は更なる進化を遂げるのであった。
ルネサンス建築の更に詳しい情報はこちら↓
ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はルネサンス建築について説明します。[show_more more=恒例の挨拶(クリックで開きます) less=折りたたむ color=#0066cc list=[…]
⑩バロック建築
時は16世紀後半、再びヨーロッパに激震が走る。
そう、あのルターさんが宗教改革という名の“ガチ切れ”をかましたのだ。
この時代、ルターの宗教改革によって市民にキリスト教会への疑問が噴出し、
ルター「今の教会、金儲けしかしてへんやん!神、どこいった神!!」
この一撃で、教会関係者は震え上がる。
教会側「ぐむむ、予想以上に反発が。信者の目を引く超豪華な教会を建てねば・・・」
と、信者を減らさないようにとにかく派手で豪華な教会を建てたのが「バロック建築」である。
まさに、バロック建築はノリと勢いだけで爆誕したとも言える。
バロック建築の傑作は、バチカン市国にある「サン・ピエトロ大聖堂」である。
バロック建築は、基本的には古典建築(ギリシャ・ローマ)をベースにしているが、そのうえで感情を揺さぶる演出力が異常である。
- 天井:黄金と天使が飛び交う
- 壁:豪華絢爛な装飾地獄
- 光:スポットライトばりに射し込む演出光線
- 音響:やたら反響する…なにこれコンサートホール?
教会の本音(たぶん)
「見ろ、この煌めき。金かかってますよ。神っぽいでしょ?」
「これでもう誰もルターの話とか覚えてないっしょ?」
つまりバロック建築とは
それでもただのド派手建築では終わらず、細部にまで意味とメッセージを込めたストーリーテリング建築でもある。
今は意味不明だと思うが、詳細記事を読んで頂ければ全て理解して頂けると思う!
バロック建築の更に詳しい情報はこちら↓
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⑪新古典主義建築
18世紀、世界に衝撃が走った。
この時代、考古学研究によってギリシャ建築の存在が明らかになったのだ。
ここでヨーロッパの知識人、まさかの大混乱。
「え、待って待って、
これまでローマ建築をお手本にしてたけど…
ギリシャ建築の方が“本気本元”やん!?」
こうして生まれたのが、新古典主義建築である。
その名の通り「古典を、ガチで、正確に、再び」という執念の建築様式である。
代表作は、ロンドンにそびえる『大英博物館』。
(中身もスゴいが、まず外観でギリシャ好きの血が沸騰する)
ルネサンス期とは比べ物にならないほど、忠実にギリシャ建築を再現している。
なぜなら新古典主義建築ではローマ建築ですらギリシャ建築より不合理だとしたからである。
新古典主義の主張
「ローマ建築?あれはギリシャの劣化コピーやろ。
我々は“本物”に回帰する。つまりギリシャ建築こそ、建築の神髄なり」
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⑫ゴシック・リヴァイヴァル建築
ここで歴史が急カーブを切る。
中世のロマネスク・ゴシック建築から、「ルネサンス」→「バロック」→「新古典主義」と『古代ギリシャ・ローマLOVE♡』な時代が何百年も続いていた。
しかし、ある者たちが声を上げた。
「いやちょっと待って。
ゴシック建築、普通にカッコよくなかった??
尖ってて高くて細くて……アレはアレで良かったやん……」
彼らは思い出したのだ。
あの中世ヨーロッパの、暗黒で荘厳なエモさを。
こうして生まれたのが、「ゴシック・リヴァイヴァル建築」なのである。
「それ前にもやったやつやん!」という、歴史あるある芸。
ゴシック・リヴァイヴァル建築の傑作は、イギリスのロンドンにある「ウェストミンスター宮殿」。
※日本人には「ビッグベンあるとこ」と言った方が通じる。
建築的には、まんまゴシックである。
尖頭アーチ、フライング・バットレス、リブ・ヴォールト……全部入ってる。
なのでゴシック様式とほとんど変わるところはない。
違うとすれば、教会オンリーかそうでないか、くらいである!!!
かつてゴシック建築は教会専用だった。
が、このリヴァイヴァル期では
- 議事堂
- 学校
- 鉄道駅(!?)
など、宗教関係ナッシングな施設にも堂々採用された。
もうここまで来ると、ゴシックは宗教じゃなくて趣味ジャンルである。
「ゴシックっていいよね〜」のノリで建てられていた感、否めない。
この「復刻の嵐」こそが、近代建築の前夜祭である。
リヴァイヴァル建築の更に詳しい情報はこちら↓
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さいごに

皆さん、いかがだっただろうか。
なるべく専門用語は使わずに、
でも要点は外さないように、
そしてちょっとボケて、
でもウザすぎないように……
この絶妙なバランスの上に成り立っているのが本記事である。
各建築の記事に任せた方が早いし確実である。
筆者としては、
「古代メソポタミア建築から順番に、ゆる〜く読み進めてたら、気付いたら建築史がわかってた」
という流れになっていれば、もう本望である。
というわけで──
今後ヨーロッパに行くなら、せっかくなら建物に目を向けてほしい。
「うわ、でっか!」「めっちゃ尖ってるやん!」で終わらせず、
「これはロマネスクだな…いや待て、むしろ初期ゴシックか…?」と
心の中で一人建築オタクを召喚していただきたい。
そうすれば、街が変わって見える。
歴史が動いた瞬間が、建物を通じて“見える”。
それこそが、西洋建築史を学ぶ最大の醍醐味である。
最後まで読んでいただき、本当に感謝する。
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そしてあなたが、旅先の石造建築の前でうなずきながらこう呟く未来を願う──
「…あっ、これたぶん“ロマネスク→ゴシックの過渡期”ですね」
(周囲ポカーン)
その時、あなたの建築史マスター化は完了である。
おめでとう。